横浜市港湾局は南本牧ふ頭(中区)で取り扱うコンテナ貨物の鉄道輸送の可能性を探る。神奈川臨海鉄道の貨物線から軌道を分岐し、ふ頭内コンテナターミナルの近接地へ貨物駅を設けて引き込むことを想定しており、軌道の敷設ルートや駅の位置などを検討して概算事業費を見積もる。オリエンタルコンサルタンツ(神奈川事務所、横浜市中区)に委託した業務を通じて作業を進め、18年度以降の施策展開を考えていく。
軌道は神奈川臨海鉄道・横浜本牧駅〜国際埠頭株式会社間の貨物線(休止中)から分岐させての敷設、貨物駅はMC1・2ターミナルに近接する場所への設置を想定している。
軌道の分岐位置・方法や、コンテナの積み込み・取り卸し(2列車分の同時荷さばき)に必要な貨物駅構内の▽発着線▽荷役線▽機回し線―といった機能を検討し、平面線形を図化。貨物駅の荷役方法と施設・設備も考えた上で概算事業費を見積もって、事業採算性の有無を検証していく。貨物駅とコンテナターミナル間のコンテナ動線を明示したイメージ図も作る。
オリエンタルコンサルタンツは11月2日の公募型指名競争入札に390万円で応札し、業務の委託先となった。18年2月28日を期限に成果品を納めてもらう。
南本牧ふ頭には水深16〜18bの岸壁を持つMC1〜4の四つのコンテナターミナルを配置して、コンテナ船の大型化や取り扱い貨物量の増加に対応できるようにする。MC1〜3を供用する中で、既にコンテナターミナルのゲート前で渋滞が発生しており、19年度末のMC4完成や20年度末の全体供用を見据えた定時制・速達性の確保が急務となっている。
このため国土交通省関東地方整備局がMC3の東側隣接地などに「集中管理ゲート」をはじめとする施設の整備を計画。八千代エンジニヤリング(東京都台東区)で設計を進めている。
提供:建通新聞社