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北陸工業新聞社
2017/12/07

【石川】JDI能美工場に700億/JOLEDライン導入で増築/有機EL量産化へ

 ジャパンディスプレイ(JDI)の関連会社であるJOLED(東京都千代田区)は、次世代の有機ELパネル量産に向けたJDI能美工場(能美市岩内町地内)の機能拡充について、約700億円を投入する方針を示した。新たな生産ライン導入にあたり、建物も増築される見通しだ。
 JOLED広報によると、能美工場の既存ラインの一部を有機ELの生産に利用するが、新たな生産設備の導入にあたっては増築の必要性を示しており、建て増しも検討していくという。
 1000億円規模の第三者割当増資を実施する予定で現在、メーカーなどと出資に関する交渉を行っている。年度内にも資金調達のめどを付けたい考えだ。調達分の3分の2を能美工場の設備投資に充て、残りは運転資金に活用する。
 資金調達などが順調に進めば、18年後半にも増築計画を具体化し、設備投資を経て、有機ELに関する量産を19年末に開始したい意向だ。
 JDIは、赤字脱却のための構造改革の一環として、液晶パネルを生産している能美工場を年内にいったん停止する。JOLEDが同工場を引き継ぎ、中型有機ELパネルの生産拠点として操業を再開する。
 JOLEDは、川北町のJDI石川工場内において、低コストで有機ELを生産できる独自技術「印刷方式」の研究開発に取り組んできており、5日に医療用モニター向けの製品をソニーへ初出荷した。今回確立した印刷方式の技術を能美工場に導入し、量産化を通して市場拡大を図っていく構えだ。
 有機ELは次世代のディスプレー技術。液晶よりも明暗を鮮明に表示でき、厚みも薄くできることからスマートフォンやテレビ、医療用モニターなどでの採用が広がっている。

hokuriku