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　智頭町の国道53号・市瀬トンネルで国交省鳥取河川国道事務所は、土砂流出対策が一部完了したとして事前通行規制の雨量基準を見直した。従来の時間雨量20�_に達することが予想される場合を35�_以上とし、連続雨量も40�_以上に達した場合から１００�_以上に引き上げて緩和。変更後の基準は今月１日から適用している。
　現地では５月31日にトンネル脇の山腹から土砂が流れ出して以降、バス路線にもかかわらず通行止めの規制を繰り返している。大雨の際には並行する鳥取自動車道も全面通行止めとなり、鳥取方面への交通が断絶され住民生活に支障を来していた。
　今回の雨量基準見直しは、国交省と県が強靭ワイヤーネット工をそれぞれ完成させるなど土砂流出対策が部分完了したことが理由。
　土砂流出対策は、県が土砂発生源の荒廃地にワイヤーネットを９月25日に完成させ、荒廃地ではモルタルを吹き付けて11月17日までに地山を固めた。また、国交省は既設１号谷止め工の下流にワイヤーネットを10月末までに整備していた。
　県治山砂防課では「当面、急がれる一定の対策ができた」と説明。引き続き１号谷止め工の土砂受けポケット５００立方�bを確保しつつ、直上流の２号谷止め工（高さ６�b、延長21�b）を年度末にかけて建設する。
　一方、国交省は国道53号本線に横断水路を年度末にかけて追加整備し、トンネル坑口には設計中の洞門工を来年内に設置する。
　トンネルの片側交互通行規制は、すべての防災対策を終えてから開放されるという。


日刊建設工業新聞