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建通新聞社(神奈川)
2017/12/06

【神奈川】「緊急度T」11・5% 16年度県内の下水管渠点検

 国土交通省は、2016年度に行った下水道管の点検結果を「下水道管路メンテナンス年報」として初めて公表した。それによると、神奈川県内で点検された管渠は4・96`。このうち、劣化が最も進んでいる「緊急度T」の判定を受けた管路は11・5%に当たる0・57`だった。全国ベースでは、約490`で点検を実施し、1%に当たる約5`が「緊急度T」判定。このうち3・5`は、17年度末までに対策を完了する予定だとしている。
 下水道管路の老朽化を原因とする道路陥没が年間3300件発生しており、国交省は15年度に下水道法を改正し、下水道管理者に5年に1回以上の定期点検を義務付けた。点検対象は、勾配が著しく変化したり、流路の高低差が著しいために硫化水素が発生しやすい箇所。総延長は全国で約5000`に上る。
 神奈川県内の点検対象は48・47`。16年度はその約1割に当たる4・96`を点検した。緊急度判定を行ったのは1・45`。内訳は、速やかな措置が必要な「緊急度T」0・57`、できるだけ早期に対策が必要な「緊急度U」0・50`、劣化状況を確認しながら、対策時期を検討する「緊急度V」0・38`となっている。3・51`は劣化なしとされた。
 点検対象の9割弱に当たる42・3`は市町村分(政令市を除く)。16年度に点検したのは4・89`で、緊急度判定を行ったのは1・42`(緊急度T=0・54`、緊急度U=0・50`、緊急度V=0・38`)だった。政令市については、対象4・07`のうち0・05`を16年度に点検。この結果、0・03`が緊急度Tに判定。残りの0・02`は劣化なしだった。
 全国の状況は、16年度に対象の1割に当たる490・08`で点検を実施。このうち27%の133`で異状を発見し、119・3`で詳細調査を行った。詳細調査後の判定結果を見ると、「緊急度T」は5・02`、「緊急度U」が27・93`、「緊急度V」が44・03`、「劣化なし」が399・47`となっている。
 メンテナンス年報にはこの他、マンホールの点検結果がまとめられている。全国の対象10万9439カ所のうち、16年度は1万4203カ所で点検を実施。「異常あり」とされたのは1619カ所だった。神奈川県内では、1084カ所のうち16年度に65カ所を点検し、12カ所で異常があったことが分かっている。

提供:建通新聞社