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日刊建設工業新聞
2017/12/06

【鳥取】透過型砂防堰堤など整備促進/平井知事が流木対策で方針

 九州北部豪雨で山林からの流木が被害を拡大させたことを受け、平井伸治知事は「流域全体を総括して新年度から対策を取っていく」と、開会中の11月定例会本会議で述べた。県内で流木により閉塞する危険性の高い「トラブルスポット」を今年度内に抽出し、透過型砂防堰堤などの整備を促進する。
 会派自民党・藤井一博議員の代表質問に答えた。
 7月の九州北部豪雨では、大量の流木が押し寄せて家屋を破壊したほか、橋に引っかかり流域の氾濫を引き起こした。
 同じような流木被害は2007年、琴浦・若桜集中豪雨の際にも発生しており、平井知事は河川や砂防渓流、農業用ため池を含めた流域全体の対策に取り組むと説明。
 その上で、流木のみをせき止める透過構造(スリット)の砂防堰堤を整備することや、ため池の上流に網を張って堤防の破壊を防ぐ対策などを挙げた。
 併せて、河川に水位計を増設して監視態勢を強化するほか、トラブルスポットのデータを基にシミュレーションし、住民の避難目安を示すことなどソフト対策も進める。
 県河川課、治山砂防課などによると、トラブルスポットは、年明けから県下全295河川、土砂災害警戒区域(イエロー区域)2600カ所、ため池74カ所を対象に調査して洗い出すという。
 一方で国土交通省は1日、緊急点検を踏まえた「緊急治水対策プロジェクト」(17〜20年度)をまとめた。県内では▽土砂・流木対策=9河川、29渓流▽再度の氾濫防止対策(浸水被害を解消する河道掘削・堤防整備など)=7河川、8・3`▽洪水時の水位監視=48河川、49カ所の水位計設置−が該当。
 県は「ゼロ県債」で河床掘削20カ所に取り組むほか、17年度国補正では事業中の透過型砂防ダムの前倒し整備を検討している。


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