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北陸工業新聞社
2017/12/05

【富山】予算の増額、受注機会の拡大など/斜面協会と県測協が知事に要望

 斜面防災対策技術協会富山支部(田中洋一郎支部長)と富山県測量設計業協会(榮知之会長)は4日、県庁に石井隆一知事を訪ね、予算増額や受注機会拡大などを求める要望活動を行った。
 斜面協会から田中支部長、津嶋春秋理事、松島一敏理事、県測協から榮会長、鷲北慎一・市森友明副会長、顧問の中川忠昭県議、坂田光文県参与が参加。県は石井知事、加藤昭悦土木部長、芝田聡農林水産部長、次長と課長らが出席した。
 冒頭、田中支部長が「協会では海外の災害現場を視察、各種学会等に参加するなど、技術力向上を図っている。毎年2月の講演会では、県民に災害の恐ろしさを伝える活動を行っており、活動を通して、県民の安全・安心をしっかり守っていける協会にしたい」、榮会長は「われわれは県民の安心、安全を守るため日々、技術の研さんに努めている。しかし、バブル崩壊以降の公共事業の縮小で経営が弱体化。災害時の対応にも影響が出始めている。経営の改善と担い手確保が喫緊の課題であり、配慮をお願いしたい」とあいさつ。
 石井知事はまず、斜面協会の要望に回答。地すべり対策、斜面崩壊対策の予算増額を求めた点で知事は、「東京オリンピックで、直轄事業や交付金事業は関東中心になっている。石井国交大臣に地方への配分に目配りするよう直接お願いし、現状を理解していただいた。これからも努力したい」と説明した。
 「登録地すべり防止工事士」の積極的な活用を要請した件で知事は、「資格者を抱えている企業を優先すべき。資格条件に設定している県は、富山を含め全国で4県のみだが、試行範囲を広げていく」と述べた。
 地すべり防止施設の長寿命化計画策定調査の実施と計画的な維持管理の実施を要望したのに対し知事は、「平成30年度に計画を策定すべく、施設点検、健全度評価の作業を推進中。点検を計画的に行い、斜面防災関係の仕事が平準化するようにしたい」と応じた。
 「立山・黒部」世界遺産文化遺産登録に向けた支援で知事は、「条件が整ってきた。来年は富山で国際防災学会が開かれる。実現へしっかり努力する」と話した。
 一方、県測協は、(1)地域企業活性化に資する受注機会の拡大(2)県内大学のインフラ系学科との交流による担い手確保の促進―の2点を要望。
 石井知事は受注機会の拡大に関し、「県外企業のみの指名割合は改善傾向にあるものの、比率は小さい。技術の研さんなど、着実に頑張っておられる企業にチャンスが回るよう、今後も気に掛けたい」と述べ、加藤土木部長に対し、さらなる努力を指示した。
 顧問の中川県議は「担い手が減っている。県内企業をしっかり育てるべき」と注文。知事は、「県立大、富大と次世代の人材育成ができつつある。受注機会を増やすとともに、技術の研さんに努めてもらい全国、世界に羽ばたいてもらいたい」とエールを送った。

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