トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(神奈川)
2017/12/05

【神奈川】横浜市 市営4住宅モデルに建て替え検討

 横浜市建築局は市営住宅の再生に向け、金沢区の「瀬ケ崎住宅」「瀬戸橋住宅」「六浦住宅」と港南区の「野庭住宅」をモデルに建て替えの検討を進めている。市浦ハウジング&プランニング(東京都文京区)がコンサルタント業務を手掛けており、とりわけ金沢区の3住宅については現有戸数の維持を前提に、高層化や集約化などの方向性を詰めていく。2017年度内に業務成果を得て、18年度から具体的な建て替え計画の検討を進めたい考えだ。
 市営住宅の再生を巡っては、16年度に国土交通省の「公営住宅に係るPPP/PFI導入推進事業」に採択された包括的団地再生・経営スキームを踏まえ、民活による▽高層化建て替え▽余剰地の民間処分(売却、貸し付け)▽小規模住宅の集約▽建て替え後の住宅と余剰地の民間施設との一体的管理―などをシミュレーション。また、長寿命化計画の改定を見据え、基本方針や各種事業(計画修繕、改善、建て替えなど)の実施方針を検討し、中長期(30年程度)のストック量も推計して改定計画の骨子案を考えた。
 さらに1981年度以前に建設した約1万4000戸の建て替え・改善の考え方や事業手法などを整理した「再生計画」を18年度内に策定する方針を打ち出している。
 建て替え検討のモデルとした市営住宅のうち、金沢区の3住宅は「改良住宅」の位置付け。それぞれ▽瀬ケ崎住宅=2棟56戸(六浦東1ノ25、65年度完成)▽瀬戸橋住宅=4棟124戸(洲崎町3ノ1、63〜64年度完成)▽六浦住宅=4棟94戸(六浦5ノ9、65〜66年度完成)―の規模で、いずれも鉄筋コンクリート造4〜5階建ての住棟となっている。浴室を備えていない。
 現有戸数の維持を前提に、それぞれの敷地内で高層化したり、比較的近接する立地を踏まえ特定の住宅を高層化して他の住宅を集約したりする方策を、物理的かつ現地の法規制の面から探っている。
 一方、野庭住宅は港南区野庭町635にある鉄筋コンクリート造3〜5階建て88棟3294戸の「公営住宅」で、85棟を73〜78年度、3棟を83年度に完成させた。改良住宅を含む市営住宅の中で最大規模を誇る。
 16年度に民活による再生をシミュレーションした市営住宅の一つとなっており、高層化などに関わる課題を整理して18年度以降の展開に備える構え。

提供:建通新聞社