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日本工業経済新聞社(茨城)
2017/11/29

【茨城】佐和駅東西自由通路基本計画案/橋上駅舎、通路幅員4m

 ひたちなか市が整備を進めるJR佐和駅東西自由通路および新駅舎の基本計画案が明らかになった。自由通路は幅員4m、駅舎は橋上化とする。順調ならば2018年度から設計策定に入り、21年度に工事へ着手。着工から1年半後、22年度内の供用開始を目指す。利用者の利便性向上と周辺のにぎわい創出を図るため、地域の顔となる新しい佐和駅の整備計画が動き出す。
 現在の佐和駅は西口にのみ改札口が設けられている。東側に住む駅利用者については線路を横断し西側に回ってアクセスする必要があり不便を来している。市は、東西に分断された地域間を相互につなぎ、利便性の向上と地域の活性化を創出するために東西自由通路の整備および駅舎の橋上化を進めることとした。
 期待される効果は◇ゆとりある歩行空間確保による駅利用者の利便性・安全性の向上◇東口駅前広場を併せて整備することによる交通手段相互乗り換えのスムーズ化◇東口開設による中心市街地やひたちなか地区とのアクセス性向上◇建設から50年が経過し、老朽化が課題となっている現在の駅舎を地域の顔としてふさわしいシンボリックな姿に創出することによる景観機能の強化―など。
 整備計画としては、地域の象徴的な顔となるよう、自由通路と駅舎を一体的な建築物として整備。景観に配慮し、遠方からも眺望が可能な北側の位置に配置する。
 自由通路は、幅員4mというゆとりある歩行空間を確保する。同時に、バスやタクシーなど公共交通相互の乗り換えがスムーズになるよう、自由通路から直接改札口にアクセスできるような形態とする。東西駅前広場への階段出入口は1カ所ずつ、エレベーターも東西1カ所ずつ配置する。
 駅舎については自動改札機を橋上部に配置。上り・下りホームへの階段およびエレベーターはそれぞれホーム1カ所ずつ、計2カ所配置する。駅施設に配置する機能については今後JRと検討して決めていく。
 施工時には、利用者の安全性確保のため駅利用エリアと工事施工エリアを明確に区分。工事期間中は、現在の駅舎南側に仮設駅舎を設置し、既存の乗換跨線橋を利用する。新しい駅舎を供用した後、現在の跨線橋は撤去する方針。
 安全性に配慮する一方で、早期の供用開始も目指す。施工の難易度が高く夜間工事が必要な線路上空での工事は極力避ける。西口広場の歩道と線路間の用地を有効活用し、駅舎本体部や自由通路の階段を配置することで、工事完了を早める計画だ。
 また、佐和駅東口の開設には佐和駅東区画整理事業による東口広場や都市計画道路の整備が必要となるため、区画整理事業との整合を図りながら整備を進めていく考えだ。
 今後のスケジュールは、17〜18年度で都市計画決定および事業認可の取得。18〜19年度でJRに委託して基本設計を進め、施設の材質やデザインなどを決定する。施設のデザインについては住民の意見も踏まえて決定する。19〜20年度には実施設計を策定。並行して東口広場用地の確保に取り組み、21年度に工事着手。着工から1年半後、22年度内の供用開始を目指す。その後、既存跨線橋や仮設駅舎を解体して工事完了とする。
 なお、施設の形態など計画内容は今後のJRとの協議により変更となる可能性もある。