長崎県・佐世保市IR推進協議会 IR基本構想有識者会議 長崎の魅力・独自性を生かし基本構想を先行策定 日本初のIR区域認定へ―。長崎県・佐世保市IR推進協議会(会長・中村法道知事)が設置した「特定複合観光施設(IR)基本構想有識者会議」の初会合が27日、長崎市の出島交流会館で開かれた。カジノを含む魅力発信・宿泊・送客・MICEの各施設を一体的に運営するIR区域の認定申請を、他地区に先駆けて行えるよう準備を進める。
IRについては、昨年12月に推進法が成立したものの同法公布後1年を目途に措置する≠ニしていた実施法の成立が、来年の通常国会にずれ込む見通し。また今年8月に公表された国のIR推進会議の取りまとめによると、区域認定の申請主体を都道府県を基本とする≠ニし、事業主体である県が事業者を選定した上でIR区域の具体的な整備計画を国に提出する必要がある。
推進会議の事務局を務める県IR推進室の西村一宏室長は、これらの背景を説明した上で、「IR実施法の中身が明らかになっていないが、本県のIR基本構想を先行して策定する。このことで、県民への理解促進や事業者選定に係る実施方針の策定に備えて区域認定申請に遅れることのない体制を整え、日本で最初のIR区域認定を目指したい」との考えを示した。
県はことし10月1日、企画振興部にIR推進室設置。「都道府県としては極めて異例な措置」(西村室長)で、推進の旗印をしっかり掲げ、関係自治体や経済団体と連携を強化しながらIR導入の実現に向けて取り組む姿勢を示している。
推進協議会は、県内外から幅広い分野の識者を委員に招聘。専門的かつ実務的見地から長崎のIRに関する施設整備の方向性や社会的リスク対策について検討する。初会合では、委員の中から菊森淳文ながさき地域政策研究所理事長を座長に選任した。また、事務局が国のIR関連の動きや長崎県内の検討状況を紹介した上で、今後の会議の進め方やIRの基本構想策定に向けたアイディア募集などについて協議した。
今後、IR導入によるメリットの最大化に向けた具体的方策や、カジノの導入に伴う懸念事項への具体的方策。さらには、九州・長崎の魅力・独自性を生かした地方における特徴ある日本型IRの在り方について検討していく。