工場の廃熱利用に着眼し省エネに取り組む先進例を紹介するセミナーがこのほど開催された。福井市手寄のアオッサで。一般社団法人ふくいエネルギーマネジメント協会(南保勝理事長、略称ふくエネ)が主催し、県も後援した。
地中熱や下水道熱などとともに近年関心が高まる工場の未利用熱についてその基礎知識から応用、利用可能な廃熱発掘などまで具体事例も交え示された。
講師は、電気加熱や冷却システムの技術向上と普及促進を図る一般社団法人日本エレクトロヒートセンターの井上和茂業務部長が務めた。氏は同センターが関連メーカーや研究機関、電力会社などの約100社で組織され、ヒートポンプ加熱などを専門として技術開発を日々推し進める日本有数の団体である点をアピール。産業界では高効率なボイラや冷凍機、LED導入などが進むものの一方では依然大量の廃熱が活用されずに捨てられる現状を様々に指摘。その上で廃熱はヒートポンプ(熱エネルギー移動装置)の圧縮技術の向上で昇温が可能となり、活用の可能性が一層大きく広がってきたと展望を示した。
続いて福井銀行から、省エネの設備投資などを対象とする資金調達制度に取り組む事業概要の紹介があった。同行の経営企画グループ地域創生チームが説明に当り、設備投資にかかる利子補給金やエコ私募債の有効性をPR。同行も積極参画する省エネサポートプラットホームのイメージも示し、県立大学地域連携本部の学外コーディネーターとして、ふくエネや県中小企業団体中央会とも連携し融資支援などの情報発信も一層強化していく方向性を強調した。
今セミナーは、経済産業省の17年度省エネルギー相談地域プラットフォーム構築事業および福井県省エネルギー相談プラットフォーム事業の一環として実施された。
なお詳細については、ふくエネ(福井市花堂北1丁目7番25号、電話0776−50−2808)へ。