名古屋市教育委員会は、学校施設の長寿命化に向けた新たな工事の手法「リニューアル改修」の調査・設計に2018年度から着手したい考えだ。18年度予算の編成に向けた要求で、1億6800万円を盛り込んだ。また、守山養護学校の増築工事費費として3億0100万円を要求。高等特別支援学校の設置に向けた調査や、天白養護学校の拡張に向けた調査・設計費、小学校の新設用地費なども求めている。
学校施設のリニューアル改修は、市が8月に策定した学校施設リフレッシュプランに沿った、新たな学校施設改修の取り組み。従来の大規模改造に加えて、設備改修や多機能トイレの整備など、新たな社会ニーズに応える整備も必要に応じて実施する。
18年度予算への要求では、小学校5校と中学校2校、幼稚園1園について、調査・設計を行うとした。工事は19〜20年度に進める見通しとなっている。さらに、高校1校についても、18年度に調査を実施したい考え。19年度にさらなる調査・設計、20〜21年度に工事を実施するとしている。
また、リフレッシュプランを踏まえて事後保全から予防保全へと転換するため、老朽化した学校設備などの改修工事に6億7900万円を求めた。
学校施設の補修関係では、管理諸室の空調設備更新にも5億4000万円を要求。小学校146校と中学校62校、高校7校、特別支援学校1校が対象となる。
公害対策関係校の空調設備更新としても4億7200万円を求めている。小学校2校と中学校3校で実施する。19年度の債務負担行為として限度額7億0400万円も設定する。
運動場の改修では小学校11校と中学校3校、高校1校を対象に2億6600万円の予算を求めた。
小学校7校の老朽化したプールの改修にも1100万円を要求。18年度に設計、19年度に工事を実施する見通しだ。
さらに、指定避難所となっている小・中学校について、震災時の給排水機能を確保するため、埋設給排水管の改修に4億1000万円を求めている。18年度は小学校5校と中学校1校で工事、小学校6校と中学校2校で設計を実施する。
〈学校の新増設準備も〉
市教育委員会は守山区で小学校の新設を計画しており、用地取得費として4億8500万円を要求。建設地は上志段味で、延べ7000〜7500平方b規模の学校を建設する見通しだ。新設校として初めて鉄骨造を採用する。青島設計(名古屋市中区)に委託して設計作業を進めており、18年度には別途、実施設計を委託する予定だ。
また、同じく守山区で守山養護学校の産業科棟増築を計画しており、工事費として3億0100万円を要求している。設計は青島設計が担当。18〜20年度で工事を進める見通しだ。設計委託時に示した増築建物の想定規模は、鉄筋コンクリート一部鉄骨造3階建て延べ約3200平方b。
さらに、天白養護学校について、校舎の拡張に関する調査・設計費として900万円を求める。18年度は基本調査とともに配管工事設計を実施したい考え。
また、施設需要が拡大している高等特別支援学校設置に向けた調査費として200万円を要求。有識者へのヒアリングや、先進事例調査などに取り組むとしている。
提供:建通新聞社