東京都の小池百合子知事は12月1日に開いた定例会見で、豊洲市場の追加対策工事の入札不調が相次いでいることに関して「(契約手続きの)遅れが生じていることは確かだ」と述べるとともに、「予定価格と入札価格のかい離があるため、市場当局が工事関係者やメーカーへのヒアリングを実施し、予定価格の再積算を行っている」と現状を説明。その上で「関係各所に対し、速やかに契約手続きが進められるよう指示している」と述べた。
築地市場の豊洲移転に先立ち実施する追加対策工事は計9件あり、9月19日に希望制指名競争による入札手続きを始めたものの、「1者入札の中止」や「不調」が相次いでおり、落札者が決定したのは2件にとどまっている。
小池知事はこれまで、来年10月中旬の豊洲市場開場に「工事契約の遅れは影響しない」と述べてきた。しかし、予定価格を事前公表に切り替えても不調が発生しており、残る7件の工事の契約を“タイムリミット”とされる年内に交わすことができるかどうか不安視される状況だ。
提供:建通新聞社