県工事検査課は1日、土木・建築設備工事の検査で運用する「工事成績評定要領」を改正した。施工不良の採点方法を見直したほか、書類上の検査から「特段の工夫」の評価項目を削除。また、ICT土工の導入現場を加点する。来年1月以降の検査から新評定を適用する。
今回の改正は工事品質の向上が目的。検査時に施工不良を指摘した際、程度にかかわらず「d」評定とする運用をあらため、手直しが検査の翌日中に終えるものは「c」以上の評価とする。
手直しの内容に程度差はあるが、検査翌日までの補修完了を一定条件にする。
書類作成に関する「特段の工夫」では、他の模範になる場合に評価していたが、実際に該当するケースが少ない上、過度な工事書類づくりに結び付く懸念があり、国交省や他県の状況を参考に評価項目から削除する。ただ、現場施工面での工夫が認められた場合は、従来通り評価する。
また、これまで検査時に指摘してきたが、なかなか改善が見られない事項を評価項目に追加して、注意を喚起する。「ハンドブック」にある内容で、出来形管理は図面に示された測点ごとに実施する-など4項目を盛り込んだ。
生産性向上の取り組みでは、ICT(情報通信技術)土工を推進する。ICTを取り入れた現場には「創意工夫」に4点を加点。実質、評定1点を与える。
このほか、加点項目を明示して周知するほか、出来形の「ばらつき判定」に基準となる規格値を明確化し、工種ごとの測定事例も詳しく示した。
これら改正内容について工事検査課は、各発注者など関係機関に対して通知した。総合評価の工事成績は年で区切って集計しており、年初めから新評定をスタートさせて検査方法を統一する。
改正概要の項目は次の通り
▽手直し工事の程度が小さい場合、工事成績が大きな減点にならないよう改正(土木、建築設備)▽「特段の工夫」の評価項目を削除(土木)▽特に改善を要する事項を評価項目に追加(土木)▽品質評価対象工種の類似したものを統合(土木)▽ICT土工の加点(土木)▽出来形のばらづき判定になじまない場合の基準を明確化(土木)▽加点項目の明示(土木、建築設備)
日刊建設工業新聞