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建通新聞社(神奈川)
2017/12/04

【神奈川】18年10月改定へ 県営住宅ストック総合活用計画

 神奈川県は、「県営住宅ストック総合活用計画」を2018年10月に改定する方針。11月28日には神奈川県住宅政策懇話会(座長・大江守之慶應義塾大学名誉教授)を開き、有識者による検討をスタートさせた。住宅供給の考え方(必要戸数、整備の方向性)、コミュニティー活動の活性化などを論点とし、第4四半期をめどに改定の方向性を打ち出す予定。その後、外部委託している調査・検討業務3件の成果なども踏まえ、計画の内容を固めていく。
 現行計画は13年9月に策定されたもので、22年度までを期間としている。策定から5年が終了した17年度は見直し時期に当たる。
 改定に向けた論点のうち、住宅供給の考え方は、高齢単独世帯をはじめとする「住宅確保要配慮者」が増加していること、県営住宅の建て替え時期が今後、一定期間に集中することなどを踏まえたもの。既存ストック(約4万5000戸)のうち、約3万戸は1970年代以前の建設で、その大半を占める階段室型中層棟はエレベーター設置による完全バリアフリー化が困難な状況にあるという。
 このため、県は懇話会での検討に当たっての視点として、「当面の間、現在の戸数約4・5万戸を維持すべきではないか」、老朽化が著しくバリアフリーなどに問題がある70年代以前の団地について「基本的に建て替えを促進していくべきでないか」を提示。さらに、現行計画による整備区分では建て替え戸数が大幅に増大(2534戸から1万2000戸)するため、建物の劣化状況や団地ごとの需要、立地特定などを踏まえた効率的な方策を検討すべきではないか、との視点も示した。
 また、コミュニティー活動の活性化については、余剰地や空き施設(店舗)への進出希望者を誘致するため、建て替えに併せた事業者マッチングの仕組みづくりを検討していく方向とした。現在の空き施設(店舗)の活用状況は、診療所・社会福祉施設誘致、コミュニティー活動拠点がそれぞれ1団地。この他、2団地の余剰地で保健・医療・福祉サービスの拠点づくりが検討されている。
 県は今後、懇話会や庁内での調査・検討、さらに外部委託作業を通じて、計画の策定を目指す。18年度第1四半期の懇話会で素案を示した後、パブリックコメントを実施することにしている。
 外部委託作業については、「(仮称)県営住宅ストック総合活用計画(公営住宅等長寿命化計画)策定補助業務」が協和コンサルタンツ(東京都渋谷区)、「県営住宅長寿命化改修検討調査」が国際航業(東京都千代田区)、「県営住宅現況調査業務委託」がかながわ土地建物保全協会(横浜市中区)の担当で進んでいる。

提供:建通新聞社