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日本工業経済新聞社(埼玉)
2017/11/29

【埼玉】県土整備部が第1四半期の稼動工事90%に

 県土整備部は施工時期の平準化に向けて、2018年度第1四半期の稼動件数を年間平均稼動件数の90%以上にする目標を設定した。16年度の75%から大きく引き上げる。達成に向けた具体策として、12月補正予算で設定するゼロ債務負担行為32億6200万円、繰越明許費55億4656万円を挙げる。さらに前年度のうちに積算などを終えておいて第1四半期に公告する発注準備工事の取り組みを加えた三本柱で推進する。
  公共工事の稼動現場は4〜6月の第1四半期が少なく、秋から年度末にかけて多くなるといわれている。繁閑の大きな差が問題視されてきた。施工時期が平準化されて、年間を通じて安定した工事量となれば、人材と資機材の効率的な活用による生産性の向上が期待されている。
  一方、発注者にとっても、計画的な発注と適切な工期設定により工事品質の確保、さらには中長期的な公共事業の担い手確保に寄与するとされている。
  同部では平準化に向けた取り組みとして、設計や積算などの準備を前年度末までに整えておく発注準備工事を導入している。同部の発注件数は年間750〜800件規模。17年度に発注準備工事は257件で適用した実績がある。
  ゼロ債務負担行為は、18年度予算で4月以降に発注する工事を前倒しする形となる。12月補正予算案で32億6200万円を設定し、議決後の1〜3月に契約を終えて、4月早々から現場を稼動させるイメージを描いている。
  一方の繰越明許55億4656万円は、受注者側にとって主に二つのメリットがある。稼動中で工期延長が必要な工事の場合、年度末ではなく12月の段階で繰り越しが決定することで、1〜3月に無理のない工程で進めることができる。一方、未発注の工事では、工期を3月末ではなく、あらかじめ6月や7月などに設定できる。