名古屋市観光文化交流局は、大規模改修を計画している国際会議場(名古屋市熱田区)について、大まかな整備内容やスケジュールを示す計画案を2018年度当初にまとめたい考えだ。渡邊正則局長が11月30日、市会で森ともお議員(民進党)の質問に答えた。局は現在、大規模改修について、コンセッションやPFI方式など民間活力を生かした整備手法を導入できるかどうかの検討作業を、三菱総合研究所(東京都千代田区)に委託して進めている。17年度末までにまとめる検討成果を踏まえ、18年度早期に今後の方向性として示したいとしている。
森議員は市会で、都市間競争の観点から国際会議場の機能強化の必要性を指摘。他都市のコンベンション施設にイベントが流れた事例もあったとし、施設規模拡大を含めた機能強化を求めた。
渡邊局長は、機能強化の必要性を認め、「課題を本年度に詰める」と述べた上で、計画案を18年度の早い時期に提示するとした。改修に着手する時期など事業のスケジュール感とともに、事業手法や大まかな整備内容についても盛り込む見通しだ。
国際会議場は1〜4号館で構成しており、最も古い1号館は1989年に建設した。1号館の規模は鉄骨鉄筋コンクリート造地下2階地上7階建て延べ3万6853平方bとなっている。所在地は熱田区熱田西町1ノ1。
完成から30年近くがたち、基幹的な設備で老朽化が進行。躯体は耐震性を確保しているものの、つり天井の耐震対策などが必要になっている。展示エリアの拡張も含め、市は有識者会議を通して対応を検討している。これまでに概算の事業費として、改修に約180億円が必要だとする推定を示していた。
また、付近に宿泊施設がないため、敷地内にホテルなどの宿泊機能を誘致することも検討。敷地南側のスペースを候補に、活用を模索している。
提供:建通新聞社