中能登町は統合庁舎の整備について、27日の町議会庁舎統合建設特別委員会に旧鹿西中を増改築して活用する方針を示した。基本設計費には2750万円を見込んでおり、12月補正予算案に事業費の不足分として1250万円を計上する。
町は今年度、旧鹿西中、鳥屋庁舎、生涯学習センター「ラピア鹿島」の既存3施設の活用、新築の4案を候補地に挙げて検討。これまでに、必要となる床面積や概算事業費など各案のメリット、デメリットを町内の主要12団体に説明し、団体代表者を対象にアンケートを実施した。その結果、ほかの3案と比較して、コスト縮減が大幅に図れるとして旧鹿西中を推す回答が最も多かったことなどを考慮し、同案に絞り込んだ。
旧鹿西中を活用した場合では、事業費は約22億円、延べ床面積は約5000平方メートルになると試算。議会棟は増築で対応する。
町は今年度当初予算に基本設計委託費として1500万円を計上。町議会12月定例会議最終日の15日に不足する事業費を計上した補正予算案を追加提出する予定だ。
統合庁舎の整備にあたり、熊本地震の発生を受けて国が今年度創設した「市町村機能緊急保全事業」の財政措置の活用を検討している。事業期間は20年度までの4年間となっているため、町はその間の完成を目指していく。
統合庁舎を巡っては、14年に住民代表らでつくる庁舎整備検討委員会が「旧鹿西中校舎の増改築が妥当」とする答申を町側に提示。その後、町議会の合意が得られなかったこともあり、今年度から旧鹿西中以外にも候補地を挙げて再検討が行われていた。