静岡県は22日、県庁で県産業人材確保・育成対策県民会議の第2回会合を開いた。県が人材確保・育成プランの素案を示し、各業界が課題と施策への意見を述べた。建設業を代表して静岡県建設業協会の木内藤男会長がプランの施策に対して、@ICT活用工事の推進A建設産業への理解促進の取り組みB施工時期の平準化−の3点について対応を求めた。
プランは、中・長期的な視点で高度な技術・技能を持つ人材の育成を強化し、企業の生産性向上、働き方改革につなげることで、経済社会全体の発展・成長に導く好循環を生み出すことを目指す。川勝平太県知事は、「働き方改革も実情に合わせてやっていかないといけない」と述べた。
木内会長は、ICT活用工事の推進について、静岡県は全国に先駆けて取り組んでいるが、技術面や機材の整備など導入に当たってのハードルが高く、中小建設企業の導入が促進されるよう、経費や技術面での県の支援を求めた。また、建設産業の理解促進では、将来の担い手確保には建設産業の役割や「やりがい」を認識してもらうことが重要。県が立ち上げた「静岡どぼくらぶ」、現場見学会など「種まきとなる活動を長いスパンで継続してほしい」とした。施工時期の平準化については、計画的に休みを取ることが可能となり、週休2日の実現など労働環境改善につながるものとして、債務負担行為や繰り越しなどの発注の工夫による平準化は、担い手減少への効果的施策と強調した。
県が示したプランの素案では、産業別の方向性と主な施策を盛り込んだ。建設業の主な施策は、▽ドローンなど3次元データを活用したICT活用工事の推進▽建設業団体の実施する担い手確保・育成事業への支援強化▽工事の債務負担行為の積極的活用などによる施工時期の平準化、休日確保を条件とした工事の拡大による週休2日制の推進▽「静岡どぼくらぶ」による戦略的PR−などを挙げた。
県は、各業界の意見、パブリックコメントを反映させて、2017年度末にプランを公表する予定。
提供:建通新聞社
(2017/11/29)
建通新聞社 静岡支社