千葉市は24日、新庁舎整備について、2018年度から設計・施工一括発注によるデザイン・ビルド(DB)方式により事業に着手する方針を決定したと発表した。これを受けて市は来年4月以降にDB事業者の選定を進め、19年3月にDB契約を締結する予定。新庁舎整備については、今月14日に市議会新庁舎整備調査特別委員会が市へ提出した「新庁舎整備の進め方に関する要望書」で、速やかに整備を進めるよう求めており、これを踏まえて18年度の事業着手を決めた。
新庁舎については、これまでに久米設計・隈研吾建築都市設計JVによる基本設計が完了。構造はS造で基礎免震を採用、規模は地上11階(低層棟は地上7階)建て、建築面積約6800u、延べ約4万9400u、高さ約53m(低層棟は約32m)。
また、概算工事費は建設工事費263億円(基礎・建設工事139億円、設備工事78億円、地盤改良工事・諸経費等46億円)、建設工事以外44億円(調査設計費8億円、その他工事費23億円、移転関連費13億円)の合計307億円、ランニングコストは年間約4億円(現庁舎は約6・6億円)を見込んでいる。
事業手法については、PwCアドバイザリー合同会社へ委託して行ったPFI等導入可能性調査の結果や国の財政支援等を踏まえて、DB方式の市負担額を329億7500万円と試算。直接施工(344億3700万円)と比べて4・25%のVFMを見込める上に、早期着工、工期短縮も可能だとしてDB方式が最適だとした。
DB方式でのスケジュールは、18年度に事業者を選定し、19年度以降に実施設計及び工事を進め、23年度上期の供用開始、25年度下期の事業完了を見込んでいる。
新庁舎は、現本庁舎敷地約4haのうち、みなと公園・プロムナード側に寄せてL字型で計画している。新庁舎敷地は駐車場等(来庁者用302台、公用車180台、自転車50台、バイク10台)を含めて約2・9haで、国道側の約1・07haを将来活用検討地とした。
新庁舎の臨港プロムナードに面する部分は、市民駐車場やモノレール市役所前駅からのアクセス性が良いことから「フロントオフィス」として、来庁者向けに本庁業務のワンストップ性が発揮できるよう窓口機能を中心に配置することを基本とする。また、みなと公園に面する部分は「バックオフィス」として、通常時における市政運営の拠点・非常時における総合防災拠点としての機能を中心に配置することを基本とする。
フロントオフィスの低層部は市民に開かれたスペースとしてレストラン・カフェや市政情報コーナー、市民の活動スペース等を配置。災害時には帰宅困難者の一時避難所や、救護資材置場等としても活用できるようにする。また、中層部には利用者の多い都市局や建設局の執務室、上層部には議会エリアを配置する計画。
バックオフィスは、3階に危機管理センター、4階に市長関連諸室を配置し、フロントオフィスの議会エリアと連携を図るほか、2階を機械室エリア、それ以外を執務室エリアとする。