県発注の建築系3工種に関する2016年度工事成績評定の平均加算点が明らかになった。満点35点に対し、建築一式は16.2点と土木一式(15.9点)を上回っている状況。考査項目では、ウエートの低さから点数が動きにくい「創意工夫」の点数が上昇しているのが目立つ。電気は15.1点で、「出来形」の構成比が6割程度と特出。管は13.3点と、現行の評点方式になった10年度から小幅な伸びが続いている。
工事成績評定は、基礎点(65点)に加算点(35点満点)をプラスして総点を算出。加算点は、@施工体制A施工状況B出来形C工事特性D創意工夫E社会性等−の六つの考査項目で構成し、それぞれに評価者(監督員、総括監督、検査員)の持点比率を乗じて加算される。
現行の評点方式になった10年度以降の推移をみると、建築一式はこの6年間で3.9点上昇。電気は3.2点、管は1.9点伸びた。
各考査項目は、配点ウエートの兼ね合いから、土木系と同様に出来形と施工状況が高い比率にある。16年度は、建築一式が出来形7.7点(構成比48%)、施工状況5.2点(同32%)となったほか、電気は出来形9点(同59%)、施工状況3.5点(同23%)、管は出来形7点(同53%)、施工状況4点(30%)。いずれもこの2項目で80%以上の構成比を占め、評点を左右する大きな要素となっていることが分かる。
業界が懸命に取り組む創意工夫は、配点ウエートが低いため、どの工種も平均点の変動が少ない傾向。ただ、建築一式に関しては、この6年間で小幅ながらも上昇が続いており、現場の努力が数字に表れつつある。
県工事監査では、「業界の方々には評定の仕組みをより細かく理解してもらい、成績アップにつなげてほしい。発注者側としても、現場の汗がより評価されるシステムの再構築に向けて作業を進めていく予定」としている。