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北陸工業新聞社
2017/11/27

【石川】Ishikawa/かがやき人/2017/河内小学校は多様な学習に対応/風建築設計工房代表笠島理さん/金澤町家「荻田邸」、市マニュアルで初改修

 「全児童数40人足らずの小学校。地域とのつながりが深く、地元の後押しがあって実現できたと聞く。児童、先生、地域のためになるということでうれしかった」と喜びを語るのは、7月に完成式が行われた、白山市立河内小学校の設計を担当した風建築設計工房の笠島理所長。
 設計にあたっては、降雪対策はもとより、コンパクトかつ機能性を重視。普通教室に可動式の間仕切りを導入することで広さを調節し複式学級など人数の増減や多様な学習に対応する。図書館兼多目的室には市内小中学校で唯一ペレットストーブを設置した。児童にエコへの興味を高めてもらうのが狙いだ。
 今年は、明治末から大正期に建てられた金澤町家「荻田邸」(金沢市博労町)の改修設計に携わった。「金沢市伝統構法木造建築物耐震性向上マニュアルに沿ったケースは初めて。土蔵や吹き抜けがあり、町家の雰囲気を壊さないようにした」と振り返る。1階にはスペイン料理レストラン「レスピラシオン」がテナント入居しており、町家の良さを残しつつ、モダンな感性で創られた空間は利用者から高く評価されている。
 名古屋工業大学建築学科卒。金沢市泉野出町4丁目(グリーンアーツ)に事務所を構える。金沢市出身。

hokuriku