県有施設に民間活力の導入を検討する県の戦略会議(座長・野川聡副知事)は21日、「とっとり賀露かにっこ館」など5施設に指定管理者制度やコンセッション方式を取り入れることを決めた。年度内に設置管理条例を改正し、2018年度以降に必要予算を措置する。
公の施設64のうち指定管理者制度が未導入なのは27施設。県はこのうち直営10施設を取り上げて管理運営方法の見直しを検討してきた。
この結果、かにっこ館のほか▽二十一世紀の森▽鳥取港ボートパーク▽鳥取空港▽むきばんだ史跡公園−の5施設は「民間ノウハウの活用が有効」と判断。鳥取空港にコンセッション、そのほか4施設は指定管理者制度を導入する。
国際交流財団が運営する国際交流センターは、18年4月にふれあい会館へ移転することに伴い、財団運営の施設として見直して公の施設としては廃止。
山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館、産業人材育成センター(倉吉校、米子校)、博物館の4施設は、指定管理者制度導入の検討を継続する。
一方、19年4月に指定管理者の更新を迎える17施設の管理運営を検討。武道館と布勢総合運動公園の2施設は指名指定から公募に切り替えるほか、天神川流域下水道など12施設は引き続き指名指定(非公募)とする。また、県厚生事業団が運営する「鹿野かちみ園」など3施設は、19年夏をめどに民間譲渡の可能性を探る。
公施設の管理運営見直しは、今後11月県議会の各常任委員会で議論し、2月県議会に予算案や条例改正案を提出する。
また、庁舎など公有財産の管理運営では、本庁舎、各総合事務所、各地方機関を対象に施設管理業務の委託を一括発注する。これまで総務課や営繕課が個別に清掃、警備、廃棄物処理などを委託していたが、包括して発注することによってコストダウンを図る。20年度当初からの実施を目指す。
会議をまとめる野川副知事は「直営から指定管理者制度に移行することでサービスの向上を図ると同時に、安全面の低下を招かないようにしたい」と話した。
日刊建設工業新聞