香川県は「新香川県立体育館整備基本計画(案)」を11月15日までにまとめ、県議会文教厚生委員会に報告した。建設工事費は工事発注時期を3年後の2020年と仮定し、延べ床面積が3万平方bとなる場合を想定すると、170億円〜190億円と試算。整備スケジュールは本年度から18年度に公募型プロポーザル方式により基本・実施設計の業者選定手続きを進め、設計者を決定。18〜20年度で基本・実施設計を進め、20年度から工事発注手続きに入る。21〜23年度で建設工事、23年度に新県立体育館を開設する。外観は「ウオーターフロントの環境を生かし、サンポート高松の景観にふさわしいデザイン性に優れた施設にする」としており、今後、基本・実施設計のプロポーザル選定において優れた能力と提案力を重視していくものとみられる。
基本計画案を22日開会の11月議会に示し承認後、年明けにも基本・実施設計の選定手続きを公募型プロポーザル方式により公示。年度内に選定手続きに着手する。基本・実施設計で32カ月(都市計画法に基づく開発許可や、建築基準法に基づく、計画通知などの関係機関との調整期間を含む)、建設工事で30カ月以上の期間を要すると見ている。
基本計画案は新県立体育館整備の基本方針を基に、パブリックコメント、アドバイザリーグループの専門家からの意見や市場調査結果などを踏まえてまとめた。
施設整備計画ではメインアリーナは全国大会や国際大会など大規模なスポーツ競技大会の他、コンサートやMICEなどを用途として、バレーボール4面、バスケットボール3面、ハンドボール2面を確保。78b×48b(3744平方b)以上が必要とした。観客席からの眺めに配慮しオーバル型などの変形アリーナにする場合、面積は増減する。
また、観客席の固定席は5000席〜6000席程度とし最大収容人数は1万人以上(アリーナ面に仮設イスの設置などを想定)。安全面に配慮しつつ、観客が見やすく臨場感が出るような勾配や、さまざまな用途に利用しやすい可動席の設置について検討する。床はコンクリート床としスポーツ時は木製床を設置。天井は有効高さ14b以上(天井につり物を設置した場合の床からの有効高さ)とし、重量物でも対応可能な強度を確保する。競技やイベント環境に適した空調設備・照明設備・音響設備なども計画する。
サブアリーナはバレーボール2面、バスケットボール2面、ハンドボール1面を確保。47b×38b(1786平方b)以上で観客席は固定席1000席程度。木製床とし天井の有効高さは14b以上にする。
武道施設を兼ねた多目的ルームは柔道、剣道などの大会の他、エアロビクスやダンスなどの少人数でのスポーツ活動、文化活動が主な用途。柔道場(または剣道場)3面の公式競技の開催が可能な広さを確保(46b×18b、828平方b程度)。観客席は固定席300席程度。床は武道用の木製床とし、その上に畳を設置。この施設に近接し畳を保管する器具庫も設ける。
施設配置計画では東側にメインアリーナゾーン、西側にサブアリーナゾーン=図=を配置。建設工事費は工事発注時期を3年後の20年と仮定し、今後3年で工事費は横ばいから9%上昇の間で推移。延べ床面積を3万平方bの想定で試算した。備品は消費税込みで7億円程度、維持管理費は税込み(10%想定)で年間3・4億円〜4億円で試算。管理運営手法はコンセッション方式と指定管理者制度など、今後、管理運営方法の調査を行いつつ、新県立体育館の管理運営に適した手法を探る。
提供:建通新聞社