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福島建設工業新聞社
2017/11/21

【福島】滑走路、年度内発注/ロボットテストフィールド整備

 「福島ロボットテストフィールド」整備事業で県は、これまでに南相馬市に建設する通信塔、試験用プラント、研究棟の工事を発注。今年度はこのほか、ヘリポートと無人航空機用滑走路両工事の入札手続きに入る見通しだ。それ以外は30年度に発注を進める。30年度内に通信塔、試験用プラント、ヘリポートを供用し、31年度に滑走路をはじめ試験用のトンネルや橋梁、研究棟などを順次開所させる。20日開いた福島イノベーション・コースト構想推進本部会議で、商工労働部長が施設ごとの開所見込みを報告した。
 福島イノベーション・コースト構想に基づき整備する同フィールドは、南相馬市復興工業団地内の東西約1000b、南北約500bに@無人航空機Aインフラ点検・災害対応B水中・水上ロボットC開発基盤―の各エリア、浪江町棚塩産業団地内に長距離飛行用滑走路を整備する。
 無人航空機用滑走路は、飛行訓練や操縦訓練に使用する施設として、格納庫を含めて南相馬市と浪江町に建設する。
 滑走路は500b×20b規模で、緩衝地帯を含めて全幅は200bを確保。試験内容や気候に応じて選択できるよう、南相馬は南北方向、浪江は東西方向に整備する計画だ。
 付属の格納庫は延べ約560平方bで、滑走路と直結する整備室に約300平方bを充てる。一帯を見渡せる管制室やアンテナ設置台も配置する。
 南相馬への滑走路建設工事は、今年度内に入札・着工し、31年度春の供用を目指す。格納庫は31年度秋完成へ向けて工事発注を計画する。浪江町の滑走路・格納庫は31年度末完成へ30年度後半にも発注される見通しだ。
 ヘリポートは、シングルロータや垂直離着陸が可能なVTOL型の無人航空機の試験・訓練をはじめ、機体追跡、無人機との衝突回避、災害救助訓練などのための有人ヘリの離発着に使用する。20b×25bのコンクリート舗装離着陸帯と、1機分の駐機場・燃料庫も整備する。今年度中に工事発注し、30年度末の完成を目指す。
 同本部会議で内堀知事は幹部職員に対し「福島ロボットテストフィールドは、物流やインフラ点検、災害対応など陸・海・空にわたるロボットの開発や実証、強化・訓練の場を提供する世界に類を見ないロボット開発拠点として大きな期待が寄せられている。地元の南相馬市や浪江町、関係機関と連携し、30年度からの順次開所に向けて着実に進めてほしい」と指示した。
 各施設の開所見通しは〈別表〉の通り。
 そのうち、通信塔は関場建設が落札。研究棟は建築が関場・藤特定JV、電気が光洋・三浦特定JV、給排水衛生ほかがセントラル住設・山元特定JV、空気調和は石田工業所が落札候補となっている。
 全体の基本・実施設計はパシフィックコンサルタンツ、研究棟の基本・実施設計は山本堀・URリンケージ設計共同体が担当。設計から工事発注段階を対象とするCM業務を、建設技術研究所・アーバン設計・日総建設計共同体が務めている。