一般社団法人福井県建築士会(歌門敬二会長)と一般社団法人福井県建築士事務所協会(櫻川幸夫会長)が主催する第12回の『建築環境セミナー』は16日開かれ、日建設計の設計部門において日々第一線で活躍する3氏を講師に招いた。「顧客ニーズをつかみ、その先を提案する」とテーマ設定し、県内の設計関係者を中心とする参加者約50人とともに考えた。福井市宝永の県国際交流会館で。
北陸電力が共催し、公益社団法人日本建築家協会北陸支部福井地域会が後援した。
講師一人目の塩浦政也NAD室長は「プロジェクトのつくり方」を話した。Pドラッカーの言葉も引き、同室がユーザーの能動性を豊かにするデザインで空間や社会にイノベーションをもたらす使命を重ねた。また建築家の職能を「空間の新しい価値を記述して社会問題を解く人」と再定義。日常生活の素朴な疑問から発想するなど可視化し統合し、さらに人間洞察も含めて課題解決にむける基本的な考え方を示した。
西村一斗也主管は福井市出身で郷土愛も示し「その先は顧客のニーズの中にある」を話した。DoggyMan関西ロジスティクスセンター(吠える犬築)での経験値を紹介。その中で出会う、もてなす、話し合う、やってみる、こもる、協働する、魅せる重要性を指摘した。
平野章博主管は「クライアントの未来を引き出すベストプレイス」とし、愛知県立芸術大学音楽部校舎などを取り上げ、働き方ではなく最終的には製品(ものづくり)のアウトプットを変える建築家の役割を力説した。
冒頭あいさつ
冒頭、主催者を代表し歌門敬二県建築士会会長が挨拶した。総合設計事務所で、社員数約1800人を擁し世界に伍する規模の日建設計(東京)の設計部門から3氏を講師にまねき「常に顧客ニーズをつかみ、前へ前へと提案し続ける超一流の管理術などを学びたい」などと期待した。