能美市は、寺井町地内で計画する市立博物館の整備基本計画を取りまとめた。内部には、3展示室からなる「まなびゾーン」、勾玉作りや講座などが可能な体験室、こどもミュージアムを備えた「にぎわいゾーン」など4つのゾーニング案(区画配置)を示している。
このほかの区画では、収蔵庫を有し、一部を公開する「ほかんゾーン」、職員が市史編さんや埋蔵文化財の整理作業などを行う「ちょうさゾーン」を配置する。
老朽化が目立つ現市立博物館(倉重町地内、78年築)と歴史民俗資料館(寺井町地内、84年築)を統合する新たな博物館は、史跡能美古墳群をはじめとする市内の文化財資料を一元的に保存・活用する。
基本コンセプトに「市内を巡ってみたくなる案内博物館」、「活動するにぎわいのある博物館」、「変化・成長する博物館」、「分かりやすい展示」、「体験イベントなど充実したソフト事業」などを設定。「みんなでつくる博物館プロジェクト」として、壁面を九谷焼タイルで装飾する案も挙げられた。
建設規模は、RC造平屋建て約2700平方メートル。浦建築研究所(金沢市)で実施設計を進めている。展示に関する実施設計は乃村工藝社。
建設地は和田山史跡公園の周辺で、現歴史民俗資料館北東側の隣接地。18年度に着工し、建屋完成後、館内の乾燥作業や展示物の移設などを経て20年春の開館を目指す。
旧市立博物館については04年にリニューアルしたものの、両施設ともに収蔵スペースが手狭で、空調設備が万全な状態ではないという。駐車場も少ないことなどを踏まえ、既存の市立博物館を移転して寺井地区で一本化し、サービス向上と業務の効率化を図る。
市は10日、建設準備委員会(委員長・松村芳明市文化財保護審議会会長)を設置し、新博物館に関する本格的な協議をスタートさせている。