日本工業経済新聞社(茨城)
2017/11/14
【茨城】水戸市の南消防署は元吉田町が候補地/本体工事は22・23年度
水戸市消防総務課は、老朽化が進む南消防署(城南1―7―4)の移転先について、市有地の元吉田町532―1ほかを改築候補地として選定した。敷地面積は約3300u(県有地約300uを含む)。延床面積は1800u程度を見込み、構造などは未定。順調ならば来年度に基本計画をまとめ、設計や造成工事などを経て、2022〜23年度に本体工事を実施する。
南消防署は1977年に設置された。建物の規模は、RC造4階建て、延べ824u。配置車両は、指揮隊車、水槽付消防車、屈折梯子車、救助工作車、救急車。
2009年度に渇。須賀満夫建築設計事務所(水戸市)で耐震診断を実施したところ、1階部分のIs値が0・45と分かり、要耐震化の判定を受けた。
現在の施設は水戸駅から近く、昼間の人口が多い有効な場所にあるが、消防署の拠点としては敷地が狭く(A519・22u)、耐震補強工事や現敷地内での改築は難しい状況。このため、駅南地域を中心に、移転先の候補地を探していた。
元吉田町地内の土地は、@管轄区域の状況から、緊急車両の現場到着時間に影響が少なく、防災拠点として活用できる場所A現南消防署の人員や車両台数などを考慮し、おおむね2500u以上であることB各方面へのアクセスが良く、スムーズに出動できること―などの要件を満たすことから選定された。
地目は雑種地ほか。県有地は19年度に取得する予定。近隣には白梅保育所(元吉田町3250―1)や県立水戸南高等学校(白梅2―10―10)などが立地。隣接する道路は十分な広さが確保されており、両側に歩道が設置されている。
今後のスケジュールについては、来年度に基本計画、地形測量、19年度に基本・実施設計、地質調査、用地取得、22〜23年度に本体工事を行う。
候補地は勾配があるため造成工事が必要となる。造成については、19年度に詳細設計、20〜21年度に工事を行う。ただ、担当課ではできるだけ早期の完成を目指したいとしており、前倒しの可能性も探っているようだ。
17〜19年度3カ年実施計画では事業費2億6100万円を設定。内訳は、基本・実施設計(18年度)が2100万円、改築工事(19年度)が2億4000万円。この金額には造成費などが含まれていないため、基本計画で概算事業費を固めていく。
なお、現施設の跡地利用については、庁舎内で利用方法を確認し、活用方策がない場合は原則として処分する。