日本工業経済新聞社(茨城)
2017/11/03
【茨城】大子町が新庁舎整備事業で建設候補地月内にも選定か
大子町は、現在建設に向けて検討を進めている新庁舎の建設候補地を本庁舎西側の町有地(A約8000u)と文化福祉会館まいん駐車場(A約3300u)の2カ所に絞り込んだ。今後さらに検討と協議を重ね、11月中には建設候補地を決定する方針だ。新庁舎の現段階での想定規模は約4200u、事業費は23億円を見込み2021年3月の竣工を目指している。
現在の本庁舎は1961年の建設で、規模はRC造3階建て延べ2106・39u。同一敷地内に立地する第1分庁舎と第2分庁舎も建設から約50年が経過している古い建物。そのため、老朽化や狭あい化、耐震性およびバリアフリー化への対応不足など多くの課題を抱えており、新たな庁舎の建設が待ち望まれていた。
町は、2020年度までの建て替え完了を目指して、本年度から庁舎建設の検討を開始。検討委員会を立ち上げて規模や事業費、スケジュールなどを検討してきた。
9月に開かれた第3回会議では建設地について協議。選定に当たって考慮するべき事項として@来庁者の利便性A庁舎の安全性B実現性C財政負担の軽減を挙げた。
候補地となったのは本庁舎西側町有地(A約8000u)、中央公民館グラウンド(A約9300u)、文化福祉会館まいん駐車場(A約3300u)―の3カ所。いずれも常陸大子駅を中心とした半径1q以内に位置し、敷地内に建物がない町有地であることが共通している。
本庁舎西側町有地はJR常陸大子駅へ徒歩5分の距離で国道461号に面していることから交通の利便性が高い。付近に中心市街地があり、病院なども近い。また、現庁舎に隣接しているため移転費用の抑制も期待できる。
課題としては押川が氾濫した場合に2m未満の浸水が予想される区域であることから、堤防の嵩上げや敷地の盛土などを検討する必要がある。
中央公民館グラウンドは、消防本部から近く災害発生時に連携がスムーズであるという利点がある。一方、公共交通の利便性が悪いことや中央公民館敷地との段差を解消するため盛土が必要なこと、久慈川氾濫時に2m未満の浸水が予想される地域であることなどが問題点。
文化福祉会館まいん駐車場は、JR常陸大子駅から徒歩5分と非常に近く、公共交通のアクセスが良好。中心市街地の活性化も期待できる。また、押川の浸水区域が0・5未満であり候補地の中ではもっともリスクが少ない。デメリットは、他の候補地に比べ敷地が狭く、新たに駐車場が必要となること。
会議では、本庁舎西側町有地か文化福祉会館まいん駐車場のいずれかが建設地としてふさわしいという意見が多数を占めた。そのため、町は次回の第4回会議でこの2カ所について比較検討し、候補地を決定する予定。