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建設新聞社
2017/11/17

【東北・福島】廃棄物貯蔵施設を12月公告/中間貯蔵施設の第9回環境安全委

 環境省は、福島県いわき市で開かれた第9回中間貯蔵施設環境安全委員会において、中間貯蔵施設事業の状況を説明した。公表資料によると、この中で大熊・双葉の両町に整備する廃棄物貯蔵施設は12月に公告することを明らかにした。
 双葉町に設ける減容化施設の灰処理施設で生じたばいじんを貯蔵する廃棄物貯蔵施設は、大熊町と双葉町の両町に建設し、12月に公告して2018年3月の契約締結および着工、20年3月の貯蔵開始を目指す。遮蔽効果があるRC造2階建ての建屋とし、鋼製の容器で貯蔵する。
 双葉町の仮設焼却施設と仮設灰処理施設は、同町細谷地区にそれぞれ1日当たり約150dの処理能力を有する規模で設置するプラントで、10月に公告しており18年3月下旬に事業着手、20年3月の運営開始を目指す。
 このほか、土壌貯蔵施設の概況についても報告。初弾案件で16年春に発注した大熊工区第1期(清水建設JV)では、受入・分別施設がことし8月から試運転を開始、10月からは土壌貯蔵施設で除染土壌の貯蔵を開始した。同時期に発注した双葉工区第1期(前田建設工業JV)では、受入・分別施設がことし6月から試運転を開始、土壌貯蔵施設は建設中となっている。17年春に発注した大熊1工区(鹿島JV)、大熊2工区(清水建設JV)、大熊3工区(大林組JV)、双葉1工区(前田建設工業JV)では11月までに着工しており、同時期に発注した双葉2工区(大成建設JV)も年内に着工することを説明した。
 減容化・再生利用に関しては、南相馬市の仮置き場で再生資材化した除去土壌等を用いた盛土構造物を造成し、モニタリングを行ったことを紹介。また、除去土壌の分級処理システム実証実験を行うため、大熊町の受入・分別施設の隣接地にパイロットプラントを複数設置する実証事業を11月に発注し、18年春から取り組むとした。
 用地の取得状況は、全体面積約1600fのうち約1270fを占める民有地について、10月末時点で約半分に相当する約654fが契約済みになった。土地・建物所有者は2360人に及ぶが、このうち約1840人の連絡先を把握し、うち約1570件では物件調査の承諾を得ている。連絡先を把握できていない地権者約520人については、うち約80人が戸籍に該当していないといった状況のため対応策を検討していることを報告した。

 提供:建設新聞社