国土交通省の下期四国ブロック監理課長等会議(入札契約担当課長会議)が11月13日、高松市内で開かれ、出席した四国4県と担い手3法のさらなる浸透を図る申し合わせを行った。冒頭、四国地方整備局の稲村行彦建政部長は建設業界の将来の担い手確保が喫緊で、最重要課題であることを示した上で、「担い手3法の着実な運用のため、ダンピング対策、総合評価落札方式の適切かつ着実な推進、週休2日の確保や施工時期等の平準化に向けた取り組みについて、現在の実施状況と検討課題を、各県と情報共有していきたい」とあいさつした。
適切なダンピング対策では低入札価格調査基準価格・最低制限価格のいずれも未導入の管内市町村があれば、早期導入を促し、適切に活用されていない管内市町村に対しては助言などに努める。
また、総合評価落札方式では地方自治法上、最低制限価格を設定できないため価格による失格基準を導入した低入札価格調査制度や施工体制確認型を導入するなど、ダンピング対策の実効性を上げる。
会計検査院の2016年度決算検査報告で、総合評価落札方式に最低制限価格を設定している地方公共団体が10都府県23事業主体、604件あったと指摘。価格その他の条件で有利な者が排除された事態を踏まえ、総合評価落札方式での適切なダンピング対策を周知徹底した。
このため申し合わせで予定価格や調査基準価格、最低制限価格の事前公表では、地域状況に応じ、不正行為の防止などにも十分配慮しつつ事後公表への移行や、段階的な事後公表の導入に向けた検討を行うなど、建設業者の真の技術力・経営力による競争を損ねる弊害が生じないように対応するとしている。
予定価格の事前公表を採用する地方自治体には、事後公表への移行が、予定価格漏えいなどの不正行為の増加や、発注者に対する不当な働き掛けを招くとの声が根強い。国交省は、入札書提出後に予定価格を作成し積算業務と技術審査・評価業務の分離体制を確保するなど、不正防止に配慮した段階的な事後公表への移行を働き掛ける。
一方、建設業に時間外労働の罰則付き上限規制が適用されることを踏まえ、建設業の働き方改革に向けた取り組みを強化することも確認、認識を共有した。関係省庁連絡会議が8月にまとめた「建設工事における適正な工期設定等のためのガイドライン」の順守を速やかに準備する。
提供:建通新聞社