東京都港湾局は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会後を見据えた臨海副都心青海地区北側の開発の在り方を検討する。「観光・交流のまちづくり」をコンセプトに、MICE機能やエンターテインメント機能、研究開発・人材育成機能などを誘導する方針で、それぞれの機能導入による経済波及効果や事業採算性、集客力を検証するなどして民間事業者による良好な開発に備える。
臨海副都心青海地区は江東区青海1・2丁目と品川区東八潮にまたがる約117f。このうち有明北地区は、ゆりかもめ有明駅の北西側に広がる、有明テニスの森公園を含む区域。都が策定したまちづくりガイドラインで「主に居住機能を担う地区」に位置付け、将来像ついて「住宅を中心とした複合市街地」とする方針を打ち出している。
有明北地区では現在、都が20年大会の際に競技会場として使用する有明テニスの森公園と有明コロシアムの改築・改修などの整備を進めている他、民間事業者による大規模なマンション開発などが動き始めている。
こうした状況を踏まえつつ、20年大会後も同地区のまちづくりを円滑に進めていくため、開発の方向性や経済効果、事業採算性などを検証していく。
都が現段階で導入すべき機能として考えているのは▽MICE(企業などの会議や研修旅行、展示会、国際会議など)▽エンターテインメント(テーマパークやアトラクション、劇場など)▽研究開発、人材育成(大学や研究機関、研究開発企業のショールームなど)―の大きく三つ。
最先端技術の活用や歩行者空間の環境改善、ショップやカフェの設置といった視点も加えながら、機能ごとに導入すべき施設の規模や特徴、整備・運営形態などの案を作成する。
その上で、それぞれの案の経済波及効果や事業採算性、集客力を検証し、事業化の可能性を探っていく。
12月6日開札の希望制指名競争を経て調査業務を委託し、年度内に成果を得る。
提供:建通新聞社