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秋田建設工業新聞社
2017/11/14

【秋田】来年度の立駐建設へ民家など解体/病院改築に向け準備・検討進む

 地方独立行政法人市立秋田総合病院は、同病院改築で平成31年度から予定している本体工事を前に、来年度で立体駐車場を建設するため、今月17日に立駐建設地にある民家や倉庫の解体工事を開札する。同年度は既存配管の切り回しも行う予定。病院の建て替えは既存敷地のなかで病院運営を行いながら進められるため、まずは立体駐車場整備と既存配管の切り回しを行ってから新病院を建設。完成後に既存の病院を解体し、外構や付帯施設の整備を行う。基本設計は久米・村田JVに委託している。
 市立秋田総合病院(秋田市川元松丘町4の30)は昭和59年に竣工。すでに建設後30年以上を経過しており、耐用年数(税法上の減価償却年数39年)からみても建て替えの時期にきているため、現在地で建て替える。新病院は現在の駐車場敷地に建設するほか、その北側にある川元松丘街区公園の隣接には立体駐車場を建設する。既存病院のある場所は平面の駐車場となる予定。
 事業概要によると、新病院棟は鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造、延べ床面積約32,000uで、想定病床数は一般病床が330床(集中治療室6床、一般病床264床、地域包括ケア病床60床)、精神病床が50床、結核病床が12床、感染症病床が4床(第二種)。鉄骨造の附属駐車場(2層3段自走式立体駐車場、210台程度)も建設する。
 予定工事費は病院棟が約147億2,000万円、附属駐車場と外構が約7億7,000万円(いずれも税込)で、既存病院の解体や什器備品、システム、移送費は別途かかる。
 プロポーザルで選定した基本設計(久米・村田JV)の提案では、施設の階層を地上12階建てとしたほか、外来・入院などの「医療棟」と、医療スタッフの拠点を集約した「医療支援棟」の2棟構成としている。
 医療棟は約27,550u、医療支援棟は約4,850uで、医療支援棟の1階東側にはバスやタクシー待ちがしやすい、大きなピロティ形式の車寄せを設置して風雨や雪から守る。医療棟の1階と2階は外来や検査などで構成。2階には「外来ストリート」を設けて入院動線と明快に分離する。3階には管理部門や供給部門を集約配置するほか、4階はオペ室やICUなどの高度診療部や医局などで構成する。
 5階には食堂やラウンジ、ガーデンのほか、図書や研修室、会議室などを集約。6階は周産期病棟や産婦人科、小児病棟、救急、NICUで構成。7階から12階は一般病棟となる。一般病棟は中心となる「ナースコーナー」の周囲に病室を配置し、看護動線が短くなるよう配慮されている。屋上にはヘリポートを備える。
 今後、来年度で立体駐車場の建設や既存配管の切り回し、実施設計を行って32年度から3カ年で新病院を建設、34年度に開院し、同年度は既存病院の解体や外構整備が行われる予定。


提供:秋田建設工業新聞社