日本工業経済新聞社(山梨)
2017/11/13
【山梨】道路施設点検、おおむね順調
県内の道路管理者で組織する県道路メンテナンス会議の2017年度第2回会合が13日に開かれ、県内の道路構造物の点検状況が報告された。道路構造物は5年に1回の点検が義務付けられ、5年サイクルの4年目である17年度までの点検実施率(見込み)は、橋梁76・5%、トンネル67・0%、道路付属物など(大型カルバートやシェッドなど)68・0%で、概ね順調に推移している。
5年サイクル最終年度の18年度の点検予定数は、橋梁1988橋、トンネル70本、道路付属物など140施設となっており、会議事務局の国土交通省甲府河川国道事務所では、参加者に対して確実な点検実施を促した。
管理施設数に対する17年度までの点検実施割合(見込み)は、橋梁は76・5%。国や高速道路会社、県、県道路公社、市町村とも74%から90%の割合で、概ね順調に推移している。
18年度の点検予定数は合計1988橋。管理者別では、国76橋、高速道路会社77橋、県360橋、県道路公社1橋、市町村1474橋。
トンネルの17年度までの点検割合は67%で、18年度は70本を予定。道路付属物などの17年度までの点検割合は68%で、18年度は140カ所を予定している。
そのほか、16年度の点検結果の概要も報告された。
県内の橋梁は1798橋で点検を行い、判定区分T(健全)は840橋(全体の46%)、判定区分U(予防保全段階)は884橋(48%)、判定区分V(早期措置段階)は73橋(4%)、判定区分W(緊急措置段階)は1橋(0・06%)だった。
同様に、トンネルは59本で実施。Tが12本(全体の20%)、Uが24本(41%)、Vが23本(39%)で、Wは無かった。
道路付属物など(46カ所)は、Tが1カ所(全体の2・1%)、Uが42カ所(91%)、Vが3カ所(7%)で、Wは無かった。
一方、市町村の橋梁点検を県が一括して実施する「地域一括発注方式」についても報告された。17年度は甲府市など7市5町が合計976橋について点検実施主体の県建設技術センターと委託契約を結び、6月下旬に4契約としてコンサルタントへ発注された。
18年度は点検5年サイクルの最終年度となるため、国交省では、18年度に一括発注を希望している市町村に対して早期の相談を呼び掛けた。
13日の会議で、会議会長の尾松智甲府河川国道事務所長は「道路施設の点検は4年目に入っており、本年度と来年度で残る施設の点検を完了させる必要があります。持続的に道路メンテナンスサイクルを回していくためにも、課題などについて意見交換ができればと考えています。国民の皆さまが安全で安心な道路利用ができるよう、道路管理者が連絡調整を図りながらしっかり対応できるよう、ご理解、ご協力をお願いします」とあいさつした。