石川と福井両県の第18回知事懇談会は9日、坂井市春江町の県教育総合研究所で行われ、北陸新幹線の整備促進とこの懇談会初議題となる並行在来線の取り組み方などを活発に話し合った。
まずホスト役の西川一誠知事が「県際(県境)同士よりよい方向性を見い出したい」と挨拶。議題最初の北陸新幹線整備促進は札幌開業よりも早い大阪までの全線開業へ早期検討着手し一日も早い財源見通しへ北陸同盟会が中心となり政府与党に要請。また大阪までの早期全線開業の機運醸成へ関西地域との連携強化。北陸と中京・関西間のアクセス向上へ沿線自治体で検討し具体的方策をまとめるよう提案。
谷本正憲石川県知事も西川知事に呼応し、北陸新幹線の重要性を改めて強調した。金沢・敦賀間の石川県内区間の用地取得率は99・4%(今年10月末)に達し地元の責任は果たしたと自負し「金沢開業が初弾のホップなら敦賀開業が第2弾のステップで、その後約10年の大阪開業が総仕上げのジャンプ」などとストーリーを描いた。
課題として敦賀・大阪間で約2兆1000億円とされる財源確保を指摘し「今後も北陸3県をはじめ沿線各県、関西圏が連携し取り組むことが重要」などと重ねて強調。並行在来線問題についても乗り継ぎ運賃問題など連絡調整会議の設置を呼び掛けた。
金沢開業効果3年目も持続
谷本知事は新幹線金沢開業の3年目も好調を持続すると報告。乗車数は約2・7倍(対14年4〜9月比)となり入込客数は兼六園で約1・4倍、金沢城公園で約1・9倍(同1〜9月比)、金沢市内の主要ホテル宿泊者数で約1・3倍(同)と力説。「これほど良質な社会資本整備はなく、大阪までつなげる重要性は自明の理」と指摘した。
両県で定期的に意見交換を
西川知事も敦賀開業に合わせ北陸本線金沢・敦賀間がJRから経営分離され並行在来線となる諸問題と検討日程(3セク会社20年夏ごろ設立、開業3年前)を明示。円滑な開業へむけて両県で定期的な意見交換を求め、JR西日本や国に対しても支援・協力を要請していく提案を行った。