石川県は11日、「県央土木総合事務所等移転建設工事」の起工式を金沢市直江町地内の建設地で開いた。県央土木、県央農林両管轄区域のほぼ中央に位置し、県内初となる土木・農林一体型庁舎の着工を盛大に祝った。
起工式には県、県議会、金沢、かほく、津幡、内灘4市町、設計・施工業者、地元関係者ら約70人が出席。谷本知事は「本館に県央土木、県央農林総合事務所を入居させることで、来庁舎の利便性向上や、災害時の両事務所間のより緊密な連携を図る。平成30年度末の完成を目指して整備を進め、新庁舎がこの地域の賑わい創出につながれば」と語り、来賓の米澤賢司県議会議長が祝辞を述べた。引き続き、谷本知事が杭打ち初めを行った。
式に先立ち、施工業者主催の安全祈願祭も執り行われた。地鎮の儀で谷本知事が鎌入れ、豊蔵組の豊蔵享一取締役社長が鍬入れ、金沢計画研究所の水野一郎顧問が鋤入れしたほか、関係者が順に玉ぐしを捧げ、工事の無事を願った。
基本設計は金沢計画研究所。実施設計は金沢計画研究所(意匠)、中島建築事務所(構造)、山岸設備設計事務所(設備)。施工については、豊蔵組・橘建設・岡組特定建設工事共同企業体(庁舎棟・建築)、みづほ工業・北川ヒューテック・ムラジ建設特定JV(車庫倉庫棟・建築)、第一電機・成瀬電気特定JV(庁舎棟・電気設備)、柿本・シグマ特定JV(車庫倉庫棟・電気設備)、北菱電興(自家発電設備)、アムズ・第一電機特定JV(庁舎棟・空調設備)、鈴木管工業(同・給排水衛生設備)、柿本商会(車庫倉庫棟・空調設備)、ネオ工業(同・給排水衛生設備)が担当する。
既存の県央土木庁舎(同市泉本町)は建築後47年が経過。防災拠点となる県有施設の中で唯一、耐震基準を満たしておらず、老朽化や狭隘化も著しく、交通アクセスが優れる金沢外環状道路海側幹線沿いで建て替える。
新庁舎は本館(庁舎棟)がS造4階建て延べ6081平方メートル、別館(車庫倉庫棟)がS造3階建て延べ2218平方メートル。県央土木総合事務所に加え、管轄区域が同じ県央農林総合事務所のほか、県計量検定所、県農林業公社、いしかわまちづくり技術センターを移転集約し、19年度からの業務開始を目指す。総事業費は約45億円(用地取得費含む)。