9月〜10月にかけて相次いだ台風による影響で、千代川の河口にある鳥取港(鳥取市港町)に大量の土砂が押し寄せた。土砂量はおよそ14万立方bとみられ、船舶の入港が制限されるほどに達している。こうした土砂の堆積は2006年(平成18年)以来約10年ぶり。平井伸治知事は8日の定例会見で、冬場の波の荒い時期を避けて春先から撤去作業に入る見通しを示した。
土砂に埋もれたのは同港「千代航路」で、千代川河口の左岸に沿って伸びる第2防波堤と、沖合に東西に整備してある第1防波堤の間を通る。通常だと第1、第2防波堤の間には170bの航路(マイナス10b)がある。
9月中旬の台風18号では、千代川から供給された土砂とともに、鳥取砂丘沖の土砂7万立方bが千代航路に堆積。県が応急工事で土砂を撤去していたところ、10月下旬の台風21号によって、土砂7万立方bがさらに重なった。
今月6〜8日には「港湾関係災害第1次査定」が実施されており、千代航路の土砂撤去費用として5億5000万円の復旧費が決定している。
これまでに応急撤去した土砂は約5600立方bで、残り12万〜13万立方bの撤去費は約4億5000万円。県空港港湾課によると「今後、早ければ年内に発注したい」と説明しており、冬期風浪が収まる3月ごろから着工する。
来年度早々にはPKS(パームヤシ殻)貨物船の入港を控えており、当面は第1・2防波堤間の航路130bの確保を優先するという。
日刊建設工業新聞