木更津市都市部住宅課は「木更津市空家等対策計画」をまとめ、公表した。計画期間は2017〜22年度の6か年。同計画では、空家等の発生予防や所有者等に対する適切な対応を図り、空家等の利活用を促進する施策に取り組み、空家等の流通促進などの対策を実施する。
空家対策は、@空家化の予防と適切な管理の促進A空家等の利活用促進B特定空家等の抑制・解消――の3つを柱に施策を実施する。
適切な管理等では、空家等の実態調査を実施し、空家等の実態を把握のうえ、情報をデータベース化。また、各種相談窓口などを整備するとともに、相談会等の開催や啓発パンフレット等の作成・配布により発生予防の周知啓発を図る。
一方、利活用の促進では、空家バンク制度を整備するとともに、空家等のリノベーション事例などを紹介し、利活用を誘導。併せて関係団体と連携し、住宅性能表示制度などの取り組みを進め、耐震改修やリフォームなどの支援策や助成制度の拡充・検討を進める。また、空家等を地域のコミュニティ施設として活用する取り組みや、跡地を広場などとして活用する地域の取り組みに対する支援を検討する。
このほか、特定空家の抑制・解消に向けては、空家等に関する情報提供や助言を行うとともに、必要に応じて立ち入り調査を実施し、助言、勧告、命令などの措置を講じる。また、関係部署等と連携した関係法令による適切な管理指導を行う。
同市では昨年9月から11月にかけて、市内にある一戸建て空家の実態調査を実施。その結果、1193戸の空家等を確認。目視等の調査で、建物全体に腐朽・破損があり、倒壊等保安上の問題があるものが92戸、ごみ放置など衛生上問題のあるものが198戸、雑草や樹木の繁茂など景観上問題のあるものが174戸、動物の糞尿や開口部の破損など周辺の生活環境の保全上問題のあるものが41戸確認された。
地区では、木更津駅西口や大久保、八幡台など郊外型住宅地の高齢化率の高い地区でまとまって発生している状況が見受けられ、所有者の年齢は65歳以上が50%を超えている。建設時期は1980年以前の旧耐震基準で建設されたものが約60%で、空家となってからの経過年数は5年以上経過したものが40%を超えている――などの実態が明らかになった。