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建通新聞社(東京)
2017/11/10

【東京】都 多摩メディカルキャンパス基本計画策定へ

 東京都病院経営本部は、多摩メディカル・キャンパスにある神経病院を改築して新たに難病医療センターを整備するとともに、がん医療機能の強化に向けた施設整備などに取り組むため、基本計画の作成に乗り出す。改築工事を進めている府中療育センターなどキャンパス内の医療関係施設の役割や機能などの全体計画を定めつつ、今後整備する施設の基本機能や配置、規模などを定める方針だ。
 多摩メディカル・キャンパス(府中市武蔵台2丁目)では、老朽化の著しかった府中病院を多摩総合医療センターとして改築するとともに、清瀬・八王子の小児病院と梅ケ丘病院を統合した小児総合医療センターを整備する事業を完了させ、現在は府中療育センターの改築工事を進めている。これに続き、神経病院を改築して難病医療センターを整備する他、がん検診センターの再整備も視野に、がん医療機能の充実に向けた施設整備を実施する考え。
 神経病院(府中市武蔵台2ノ6ノ1)の規模は鉄骨鉄筋コンクリート造10階建て延べ約2万3700平方bで、病床数は216。脳神経内科・脳神経外科・神経小児科・神経眼科など10診療科を設け、脳神経難病医療センターとしての役割を担っている。しかし、1980年の完成から35年以上が経過して建物・設備の老朽化が著しく、これまでに大規模な改修などを実施していないため、抜本的な対策が求められている。
 そこで、神経系以外の難病にも総合的に対応できる難病医療の拠点として建て替える計画だ。改築に当たっては、キャンパスの難病機能を集約し、高度で先進的かつ専門的な医療を提供する。病床規模として300床程度を想定。PFI方式などの事業手法の採用も検討する。
 一方、がん検診センター(府中市武蔵台2ノ9ノ2)は、多摩地域を中心としたがん検診を行うとともに、検診従事者の教育研修や調査研究事業などを実施している。建物は鉄筋コンクリート造延べ8644平方b。こちらも1990年の完成で経年による劣化などが進行している。
 そのため、同センターの持つ検診機能を多摩総合医療センターでの治療に活用するなど、キャンパス内の組織や機能分担、連携の在り方を検討しながら、がん医療機能の充実に向けた施設整備について検討していく。
 基本計画では、敷地内を縦断する超高圧送電線など施設整備に関する制限、府中療育センター改築といった既存の施設整備計画との整合性を踏まえながら、▽難病医療センターの整備▽がん医療機能の充実に向けた施設整備▽駐車場の充実や小児グラウンドの再整備など構内環境整備▽災害対策用備蓄倉の整備―に向けた配置計画、建築計画、設備計画、構造計画、工程計画などを検討し、それぞれの事業費を算出する。

提供:建通新聞社