日本工業経済新聞社(山梨)
2017/11/08
【山梨】南反保開発は大きな仕事 高木晴雄山梨市長・新任インタビュー
高木晴雄氏が山梨市長に就任した。高木市長は「新たな山梨市を築く気概に燃えている」と決意を披露。市の地理的条件やリニア開業などを踏まえ、情報を積極的に発信することで未利用地の有効活用や産業誘致などに取り組んでいくと述べた。
―市長就任後、現在の心境は。
高木 大変な時期に就任したと実感している。その分、大きな期待もあるので応えられるよう、新たな山梨市を築く気概に燃えている。
―首長として心がけていることは。
高木 県議会議員のときから“信念貫けば開かん扉はない”を信条としてきた。そのなかで、初心を忘れないこと、ぶれないこと、政治家に求められている結果を出すこと。これまでと姿勢は変わらないが、責任の重さは比べものにならない。市民の付託に応えられるように、健康にも配慮して仕事をしていく。
―課題のひとつである人口減少対策については。
高木 少子高齢化、人口減少は大きな影を落としていく。歯止めをかけるにはどうするか、まずは産業。昔のような大きな企業は望めないだろうが、企業にとって優位な条件をインターネットやSNSなどで配信・PRして、プレミアムを付けるなど操業したくなるような誘致策を展開する。
もうひとつ、市内にある有形無形の資産を顕在化させ、テーブルに乗せて有機的に結び付ける。著名人の知恵を借りる、情報をいただくなどもひとつの方法で、具現化していきたい。
かねてから懸案となっている南反保の開発。開発を行う以上は市が主導して徹底的にやりたい。中心地にある約50haの土地は大きな資産。効果があり、着手し易い箇所から始め、モデル的に成功事例をつくりながら進めたい。市長として大きな仕事と考えている。
―ほかにも市内に未活用の土地があるが。
高木 利活用を早くしなければとの考えはある。旧市役所跡地は、市民や業者の意見、提案を公募やプロポーザルの手法でテーブルに上げ、考えていきたい。
牧丘町のゴルフ場計画地については、サッカー場などスポーツ施設もひとつの考え。自治体間競争のなかで、10年後にリニアが開通し、その頃には新山梨環状道路東部区間もめどが立つ。そして首都圏から近いなど地理的優位性を見据え、対策を練っていく事が重要である。利便性、自然や景観の良さ、田舎への憧れなどを有機的に結合させる。本年度に検討している基本構想でかたちは見えてくる。場合によっては、総合計画の優先順位の見直しなどもあり得る。
―大型事業への取り組みは。
高木 着手している事業について基本的には継続していく。中央自動車道へのアクセス道路である小原東東後屋敷線も、甲州市と協力しながら進める。
―透明感のある市政を目指すなかで、入札・契約については。
高木 まず職員の資質向上を図る。制度はもう少し様子を見たうえで考えていく。民間との違い、合理性に欠ける点は、外部有識者などのご意見を充分取り込み、施策に生かしていく。
高木 晴雄(たかぎ はるお) 1950年7月24日生まれ。日川高等学校卒業後、潟^カギ代表取締役社長などを経て、2011年4月山梨県議会議員に初当選。以後再選を果たし、16年9月には副議長就任。17年10月山梨市長に初当選。趣味はゴルフと読書というものの、クラブは埃を被り、本を読む時間も少なくなり寂しいと。