トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建設経済新聞社
2017/11/07

【京都】河合橋のデザイン検討会議 コンセプト案など検討

 京都市は6日、河合橋デザイン検討会議(議長・家村浩和京都大学名誉教授)の第2回会合を開催。デザイン・コンセプト案とともに、ブラケット(支持具)、歩道舗装、車両用防護柵、歩道照明、高欄についてデザイン案を検討した。
 デザイン・コンセプト案として「歴史を継承し、参道・玄関にふさわしいデザイン」「さまざまな出会いの場を安全に繋げるデザイン」「取り巻く風景と調和し、外から見られることを意識したデザイン」を示した。
 ブラケット(支持具)は曲線を有した形状とし、軽量化を図ることを前提条件とした。歩道幅員は拡幅し、2・0mを目標とする。車道の自転車が通行する場所には自転車マークを路面に標示する。デザインはA案(拡幅分を水平に延長する)、B案(拡幅に伴い、傾斜を緩くする。軽量化できる)、ブラケットの間隔はイ案(現況と同様に石製高欄支柱位置に設置)、ロ案(構造的に最も適した配置に設置)を提示。Bのイ案を妥当とした。
 歩道舗装は、歩道拡幅を行うため軽量な素材を選定することを前提条件とした。A案(石畳風舗装)、B案(アスファルト舗装)からA案を妥当とした。A案の石畳風舗装案は190o×115o、190o×90o+73o×73o、73o×190o、300o×600oの4通りから「73o×190o」を妥当とした。
 歩道と車道の境目に新たに設置する車両用防護柵は、材質はアルミとし、形状は高欄と整合を図りシンプルなデザインを前提条件とした。塗装色はA案(青みがかったグレー系)、B案(グレーベージュ系)、C案(ダークグレー系)を提示し、B案を妥当とした。
 歩道と車道の境目に設置する歩道照明は、景観を保全するためポール式は採用しないことを前提条件とした。A・B・C案からA案の手すり設置案を妥当とした。
 再利用する石製高欄は、1・0mから1・1mに嵩上げする。A案(横桟案)、B案(格子案)、C案(縦桟案)からB案を妥当とした。
 次回第3回検討会議では灯籠、橋桁の塗装、橋詰めのデザインを検討する。
 河合橋(左京区下鴨宮河町他、路線名は市道柳通、昭和13年架設)は橋長59・34m。3径間で支間割は15・67m+28・00m+15・67m。幅員は10・90m(有効幅員10・00m)で、内訳は車道7・0m、歩道1・95m(有効幅員1・5m)×2。
 架設から80年が経過しており、市は「いのちを守る 橋りょう健全化プログラム」[第2期(29年度〜33年度)]に基づき、補強・補修工事を進める計画。
 28年度に河合橋他1橋補修設計業務を東洋技研コンサルタント(大阪市淀川区)で実施。29年度は河合橋デザイン検討会議運営業務を空間創研(京都市下京区)に委託した。
 デザイン検討会議の意見を踏まえ、設計をまとめる。できる範囲で歩道の拡幅、安全対策に取り組む考えで、30年度に工事着手する予定。工事概要は耐震補強工事、老朽化修繕工事、歩道拡幅工事。