建通新聞社
2017/11/07
【大阪】南海・男里川橋梁 架替視野に改善策検討へ
台風21号による豪雨で橋脚が陥没し、橋桁がゆがんだ南海本線の男里川橋梁下り線で、仮復旧が始まった。準備工から仮復旧工までを南海辰村建設(大阪市浪速区)が一括して行う。現在、準備工の段階。明確な工程は示されていないが、南海電気鉄道によると、同区間の下り線も含めた運転再開は、今後1カ月程度かかる見通し。本復旧に向けては、仮復旧後に抜本的な改善策の検討に着手する方針で、架け替えも視野に入れる。
同橋梁は、南海本線・樽井駅〜尾崎駅間で、泉南市と阪南市の境にある男里川に架かる。上り線と下り線の2本からなり、下り線が1918年、上り線が1897年に完成した。共にフーチング構造で、橋長は93・57b。今回の大雨では下り線の橋脚6基のうち、和歌山側から2基目の橋脚が陥没し、下り線の橋桁がゆがんだ。陥没の原因は洗掘とみられる。
仮復旧工事では、陥没した橋脚の周りに仮の橋脚を設置し、橋桁を水平に戻すとともに、それ以外の橋脚についても被害を受けていないか調査し、安全性を確認した上で、上下両線による運行を再開するとしている。
樽井〜尾崎間は被災直後から運転を見合わせていたが、11月1日から運転を再開。当面、上り線を使用した単線運転となっている。