東京都オリンピック・パラリンピック準備局は、都が建設する新規恒久施設(8会場と周辺歩道橋整備の9件)の整備費見込み額を現段階で1828億円と見積もっていることを明らかにした。会場計画の見直しを検討したオリンピックアクアティクスセンターと海の森水上競技場、有明アリーナの3施設については、地中熱利用設備や太陽光発電設備の導入など環境配慮が必要と判断し、昨年12月の段階に比べ整備費が増加。一方、施設計画が具体化したアーチェリー会場については、当初24億円と試算していた事業費を14億円に減額した。11月6日に開かれた都議会オリンピック・パラリンピック推進対策特別委員会で説明した。
アクアティクスセンターの整備費(当初683億円)は、昨年12月の会場計画見直しの時点で514〜529億円と見積もっていた。その後、地中熱利用や太陽光発電・熱利用に3億円、地中障害物や汚染土の処理に38億円が必要と判断し、現段階の整備費を567億円と試算した。
海の森水上競技場(当初491億円、昨年12月時点で298億円)は、遮熱性舗装や太陽光発電、中高木植栽、東側締切堤南側へのスロープ設置などにより、精査後の事業費を308億円に見直した。
有明アリーナ(当初404億円、昨年12月時点で339億円)は、地中熱利用や太陽光発電・熱利用、木材利用、エレベーター・エスカレーター設置、受注者との協議による屋根・外壁仕様の縮減額精査により、現段階の整備費を357億円と見積もった。
また、アーチェリー会場(夢の島公園)の整備については、現在進めている盛土工事の進展や施設計画の具体化を反映し、当初24億円としていた事業費を14億円に減額する。芝生広場(面積約1万8000平方b)や遮熱性舗装(約3500平方b)、日よけ屋根(延長約130b)、倉庫1カ所などを整備する計画で、2018年度に上屋などの施設工事を発注する見通し。
有明テニスの森は、競技団体との調整結果や設計の精査を反映。当初144億円としていた整備費を110億円に見直した。
提供:建通新聞社