県建設工事等入札契約審議会(会長・谷口朋代鳥取大学大学院工学研究科教授)は1日、「測量等業務」の低価格入札に際し実施する「成果品重点確認」を厳格に履行するよう発注者に求めた。低入による品質低下を懸念したもので、これを受け県は成果品重点確認のやり方を見直す検討に入る。
コンサル業務に適用する成果品重点確認の実施要領では、予定価格を著しく下回った金額で受注した成果品を対象に、検査職員を通常1人から2人体制に強化して業務の履行を重点確認する。
土木関係建設コンや補償関係コンの場合、予定価格のおおむね85%に成果品重点確認価格を設定し、下回れば低入となり重点確認の対象になる。
また、低入の受注者は管理技術者や照査技術者らの配置技術者を他の低入業務と兼務させることができず、ダンピング対策の側面もある。
重点確認制度について、入契審の委員は「品質低下のチェックのために、何を具体的に確認しているのか」と疑問視し、形式的な確認になっていないかと指摘した。
県は「実質、検査職員を増やしているに過ぎない」と出された意見を一部認めており、重点確認の内容を改めて実効性を高める方向で検討する。県土総務課は「次回の入契審までに何らかの見直し案をまとめたい」と説明。来年2〜3月の入契審に検討結果を提示する。
入札契約状況を審議
1日の入契審では、委員から寄せられた落札率100%の工事や極端に低い落札率の業務・工事など9件を取り上げ、各発注機関が契約状況を説明した。審議案件は次の通り。
▽米子港樋門電動化工事=クラエー=落札率100%▽林道北栗祖線災害復旧工事=共栄組=落札率100%▽栽培漁業センター海水井戸掘削工事=サンイン技術コンサルタント=3000万円以上の大金をかけてまで海水がでる確実性を備えているか▽天神野地区ため池(中尾尻ため池)測量設計業務=ヒノコンサルタント=落札率78・7%▽県道鳥取河原用瀬線(嶋〜野坂工区)「測量及び用地調査業務委託」(交付金)=サイトウコンサルタント=落札率77・1%▽境漁港高度衛生管理型市場整備事業1号上屋新築工事(1工区)=美保・金田・リンクスJV=落札率98・7%、同(2工区)=美保・平田・竹田JV=落札率98・8%▽郡家警察署庁舎棟耐震診断及び耐震補強計画業務委託=門脇構造研究所=落札率67・9%▽鳥取砂丘コナン空港ターミナルビル一体化工事(建築)=大成・大和JV=落札率100%▽国道181号江府道路宮ノ谷トンネル工事(補助改良)=三井住友・福井土建JV=落札率83・9%
日刊建設工業新聞