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建通新聞社(東京)
2017/11/06

【東京】都 木密対策加速へ移転先整備

 東京都都市整備局は、木造住宅密集地域の解消に向けた取り組みを加速するため、居住者などの移転先となる施設整備の検討を始める。老朽化した建物の解体や建て替えに当たり、移転先の確保やその環境を不安視する声が少なくないことから、民間事業者との連携も視野に入れながら、居住者の生活や既存コミュニティーに配慮した施設を都有地に整備し、事業の円滑化を図る。木密地域周辺の都有地2カ所をモデルに、確保すべき機能や施設の種類・規模、事業スケジュールなどを検討し、基本構想としてまとめる。
 都は、大地震が発生した場合にも被害を最小化する地震に強いまちづくりを進めるため、防災都市づくり推進計画を策定し、これに沿って木造住宅密集地域の改善などに取り組んでいる。木造住宅が密集し老朽住宅の立地割合が高く、道路や公園などの公共施設の整備が遅れている地域を「整備地域」に位置付け、道路・公園などの公共施設の整備と老朽建築物の建て替えを促す区市町村を支援している。さらに、整備地域の中で、特に重点的・集中的に改善すべき地区については「不燃化特区」に指定し、区と連携した取り組みを強化している。
 しかし、老朽化した住宅の解体や建て替え、共同化といった事業を進める際、費用面に加え、長く住み慣れた地域から転居するために移転先の環境やコミュニティーを不安視する声も少なくない。
 そこで、移転者の意向やコミュニティーの持続性、生活利便性などを考慮した施設を都有地に整備し、移転に関する不安を和らげることで、不燃化に向けた取り組みをより円滑に進めることを検討する。
 木造住宅密集地域周辺の都有地2カ所をモデルに、地権者の意向や要望を踏まえて確保すべき機能や、施設の種類・構造・規模、事業スケジュールなどを複数案検討。民間事業者との役割分担や移転者に対する優遇措置なども併せて考え、基本構想をまとめる。

提供:建通新聞社