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北陸工業新聞社
2017/11/04

【石川】17年秋の叙勲

 2017年秋の叙勲受章者が発表された。建設業振興功労として一般社団法人石川県建設業協会常任理事で日本海建設取締役社長の小柳正彦氏、観光事業振興功労・産業振興功労として元日本観光旅館連盟北陸支部常務理事、元七尾商工会議所副会頭で加賀屋代表取締役相談役の小田禎彦氏、自動車運送事業振興功労として元一般社団法人石川県トラック協会副会長で田内運輸取締役会長の田内滿喜夫氏が、いずれも旭日双光章を受章した。受章の喜びを聞いた。

小柳正彦氏に旭日双光章/「建設業なくてはならない」

 「(旭日双光章は)父も受章しており、感慨深いものがある。業界の皆さんに支えられてきたおかげ。これからも建設業を通じて社会にしっかりと貢献していきたい」―。10月に古希を迎えたばかりの受章のタイミングに喜びもひとしおだ。
 24歳で建設業界に入り、半世紀近くの歳月が経った。「昔はパソコンも携帯電話もなかったが、この業界は就職先としてよく頼まれていたものだ」と懐かしむ。次の時代に向けた担い手の確保が課題だが、「デスクワークが苦手だったり、建設業に向いている人、職業として選択する人は必ずいるはず」と指摘する。
 日本海建設3代目の社長としてのキャリアは20年を超え、創立70周年も視野に入る老舗企業としてその存在感は揺るがない。「何といっても従業員に感謝したい。現場で一生懸命に仕事をしてくれている。これからもしっかりと雇用を守っていきたい」と強調し、「時代がどんどん移り変わっても、建設業は必要なもの、なくてはならない。社会貢献が使命であり、その誇りと意欲を持った若者たちに期待したい。心配することはない」と胸を張る。
 こやなぎ・まさひこ 1947年生まれ。明治大文学部卒。95年から日本海建設取締役社長。石川県建設業協会常任理事、金沢建設業協同組合理事長など。2012年に黄綬褒章を受章。野々市市在住。70歳。

小田禎彦氏が旭日双光章/「おもてなし、これからも」

 「旅館業を営み、観光一筋で60年。受章は大変な栄誉であり、有難く感じています」―。1962(昭和37)年から加賀屋をけん引し、プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選で36年連続総合1位に輝くなど、日本旅館のトップランナーとして走り続けてきた。
 常に時代のニーズを捉え、「日本の経済成長とともに拡大路線を続け、台湾にも進出できた」と振り返る。今や国際的なキーワードになった「おもてなし」は「創業以来のサービスの原点。どこにも負けない親切心を貫いてきた」との理念が揺らぐことはない。
 昭和60年代から七尾マリンシティ推進協議会の活動をリード。七尾フィッシャーマンズワーフやモントレー・ジャズ・フェスティバル・イン能登の開催など地域活性化に力を注いできた。「視野を変え、視点を高めることで地域や若者たちに刺激を与えることができた」と振り返る。
 新幹線の開業効果は他の地域が羨むほどの活況を呈しているが、「国際的な文化の交差がより激しくなり、これからが正念場」とそのまなざしは次のステージにある。
 おだ・さだひこ 1940(昭和15)年生まれ。立教大経済学部卒。加賀屋代表取締役社長、会長を経て現在、代表取締役相談役。元日本観光旅館連盟北陸支部常務理事、元七尾商工会議所副会頭。現在、石川県観光連盟理事長など。七尾市在住。77歳。

田内滿喜夫氏に旭日双光章/「衣食住を支えるプライド」

 「よき人との出会いに恵まれた。これまで支えていただいた皆さんに感謝したい」と受章の喜びを噛みしめる。
 白山市(旧吉野谷村)生まれで、中学校卒業後、一旦、会社勤めをしたものの、自動車好きが高じてトラックドライバーに。「天職だと思った。地元はもちろん、北海道から九州まで食料、建設資材、婚礼家具、あらゆるもの運んだ」と振り返る。
 2トントラック1台からスタートした社業も徐々に拡大し、今年創業50週年を迎え、9月には取引先らを招待して記念のゴルフコンペも開いた。
 県トラック協会でも要職を歴任し、今年6月には10年間務めた副会長職を退任。トラック運送業について「人間が生活を営む上での基本である衣食住のすべてを支えているのは我々トラック業界のみ。オーナー、ドライバーにはその誇りを持って仕事にあたって欲しい」と訴える。
 現在は田内運輸の取締役会長職だが、現役ドライバー時代から肝に銘じているのは何と言っても交通安全だ。「ドライバーには決してムリをさせない。利益ばかりを追求すると必ず安全が疎かになる。荷物の延着は許されても、事故は決して許されない」と語気を強める。
 たうち・まきお 74歳。「現役時代からの職業病でどれだけ遅く寝ても毎朝5時8分に目が覚める」と笑う。金沢市北森本町在住。

hokuriku