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西日本建設新聞社
2017/11/02

【熊本】連載「熊本地震〜復興の槌音〜(25)」 二重峠トンネル(大津工区) 急速施工本格開始へ

 国道57号北側復旧ルート(阿蘇市赤水〜大津町引水)の二重峠トンネル掘削現場で、いよいよ本格的な急速施工が開始される。大津工区を施工する清水・福田・松下地域維持型JVは、最難関区間としていた県道(通称・ミルクロード)直下の掘削工事を突破。今後は、大型高性能機械の複数台投入など現場の稼働力を上げて、大幅な工期短縮を実現していく。
 
■強固な改良層構築

 10月24日、清水建設JVの金岡幹所長らが報道陣に進捗状況を説明した。
 大津工区(大津町古城地内)の工事区間は、トンネル総延長3659bのうち1659b。6月に避難坑(幅8・6b、断面積50平方b)、8月に車道となる本坑(同15b、同106平方b)の掘削に着手した。
 坑口から40b前後の区間は、上部にミルクロードが横切っており、トンネル頂部から道路面との地盤の厚さが9b程度と薄く、地盤強度も低くなっていた。
 このため5b掘進する毎に鋼管を打設して地中へ薬液を注入。掘削断面に屋根を覆う格好で、厚さ1b程度の強固な改良層を築きながら慎重に掘り進めた。
 同区間は10月14日に掘削を終え、金岡所長は「地表面の沈下をわずか20_以下に抑制することができた」と説明する。
 
■高性能機械投入、昼夜連続施工へ

 掘削は先月24日までに本坑128b、避難坑617bが完了し、「大きな問題もなく予定どおりの工程」と金岡所長。今後は最先端技術を用いた急速施工にシフトしていく。
 計画では、高性能の大型トンネル施工機械ドリルジャンボを投入するほか、祝休日に関わらず昼夜2交代の3班体制で連続施工に取り組む。
 ECI協議時に提案した本坑の複数切羽は、避難坑の掘削延長が1000bを超えた時点で横坑を掘削。本坑内にアクセスして2カ所同時掘削を開始する。
 JV関係者によると、同規模(断面積100平方b程度)トンネルの一日あたりの掘削延長は、一般的に2〜3bに対し、今回は4〜5bの掘進を予定している。金岡所長は「通常よりも掘削期間を1年以上短縮できる見込み。安全を第一に作業に取り組み、熊本の未来に誇れるトンネルを完成させたい」と話した。大津工区は平成32年5月31日の完成を目指す。

提供:西日本建設新聞社
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