県道路課は、地域高規格道路大曲鷹巣道路で優先して整備する大覚野峠について、技術的課題を検証する技術検討委員会で概略ルートの検討を進めており、最終局面を迎えている。同課では、年度内に概略ルートを固めたい考えで、その後は課題をさらに掘り下げて対策を練る。技術検討委はこれまでに4回行われており、第5回の開催に向けて調整している。
地域高規格道路は全国的な高規格幹線道路網と連携し、地域集積圏の形成や集積圏相互の交流促進、交流拠点などとの連携機能を強化する目的で整備されるもの。2車線以上の道路で自動車専用道路、または自専道と同等の高い規格を持つ時速60km以上の高速サービスを提供するものと位置付けられている。
県は平成26年12月、地域高規格道路の本荘大曲道路、大曲鷹巣道路、西津軽能代沿岸道路から、大曲鷹巣道路を優先整備路線に選定。27年3月には大曲鷹巣道路を12工区に区切った場合、「第7工区」となる大覚野峠を優先整備区間に決定した。
山間部の大覚野峠(北秋田市阿仁比立内〜仙北市西木町上桧木内、L14.3km)には平面線形や縦断線形で不良箇所、道路防災の観点では防災点検が必要な箇所があり、通行止めなどの災害履歴が多く、迂回路もないなどの課題がある。このため、施工上の課題などを洗い出して慎重に事業化を検討する必要があり、現在は学識者などで構成される技術検討委員会で概略ルートの選定が進められている。
新たな県政運営の指針となる「第3期ふるさと秋田元気創造プラン」の骨子案において、大曲鷹巣道路は「県土の骨格を形成する道路ネットワーク整備」の施策で「交流や経済を支える高速道路網の形成」の主な取り組みのひとつとして位置づけられている。
なお、今年度は北秋田地域振興局建設部が道路概略設計(B)修正および技術検討委員会運営業務(セントラルコンサルタント)や数値図化業務(パスコ)、地表地質調査(国土防災技術)を進めている。
提供:秋田建設工業新聞社