川崎市は10月30日の都市計画審議会で、矢向駅〜武蔵小杉間(約4・5`)のJR南武線連続立体交差化の取り組み状況を説明し、構造・工法を「仮線高架」形式に決定する方針で調整を進めるとした。「仮線高架」形式の概算事業費は約1185億円で、概算工事期間は10〜15年間。今後は都市計画概略案の決定、都市計画案の作成を経て、都市計画決定の手続きを進める。
「仮線高架」形式は現在の線路を一時的に仮線に切り替え、空いた現在の線路敷地に新たに高架橋を建設する工法。説明では、工費や地域への影響などの面で、「直上高架」形式や「地下直下」形式に比べて優位であるとした。
例えば、対象区間のうち、延長1・5`について、現在の線路で営業しながら、その直上で高架橋を建設する「直上高架」形式とした場合は、事業費が「仮線高架」形式の約1・1倍になるという。また、開削工法(延長1・2`)とシールド工法(延長3`)を組み合わせた「地下直下」形式では約1・7倍に膨らむ見込み。
「仮線高架」形式で建設を進める場合、関連して▽大田神奈川線(延長約600b、幅員約20b)▽矢向鹿島田線(延長2600b、幅員約15b)▽側道(延長2300b、幅員約10b)▽塚越南加瀬線(延長約400b、幅員約12〜15b)―を併せて整備する。
提供:建通新聞社