年間を通じた発注の平準化で県土整備部は、翌年度予算を前倒しする「ゼロ県債」(債務負担行為)を2017年度「11月補正」に盛り込む。16年度のゼロ県債24億円から2倍近い事業規模を要求。ただ、今のところ財政課からは厳しい査定状況が伝わっており、最終的に30億円前後をめぐる攻防となりそうだ。
ゼロ県債は翌年度予算を先食いする財政上の措置。新年度予算の一部を1−3月期に前倒し発注し、手持ち工事が手薄になる4−6月の端境期を穴埋めする。
同部では従来の単県公共事業に加えて、16年度からは一般公共事業の交付金にもゼロ県債を充て、県単独事業11億円、交付金事業13億円の計24億円を積み上げて「11月補正」に計上。工事費だけでなく、委託業務も取り込んで今年の春先までに発注を終えた。
17年度の場合、さらに上積みを狙って40億円台後半を「11月補正」に要求している。
一方、昨年の県中部地震などによって県財政はひっ迫しており、ゼロ県債をめぐり財政課からは要求額の抑制が求められている。同部の各予算担当は「少なくとも昨年度並み以上は確保したい」と説明し、厳しい折衝を続けている。
今後の見通しは、要求額の3分の2程度との見方も出ており、現時点では着地点として30億円前後の数字が浮かび上がっている。
日刊建設工業新聞