君津地域水道事業の統合広域化に向けて、君津地域4市(木更津市、君津市、富津市、袖ケ浦市)と君津広域水道事業団、県の6団体による「君津地域水道事業の統合広域化に関する基本協定締結式」が30日、君津広域水道事業団事務所で開催され、協定が結ばれた。
今後、総務省による広域連合の設立許可や厚生労働省の水道事業及び用水供給事業の経営認可に向けて作業を進め、2019年1月の広域連合設立、同年4月の広域連合による水道事業と水道用水供給事業の開始を目指す。統合が実現すると、県内の水道の統合広域化は初めてとなる。
協定では、統合の方法、経理区分、水道施設の整備、水道用水供給料金、水道事業の水道料金等、出資金などについて定めた。水道事業の水道料金は統合から10年後に統一することを目標とすることとした。
締結式では、渡辺芳邦・君津広域水道企業団企業長が「基本協定の締結により4市の水道事業を統合し、また、県を含めた水道用水供給事業との経営の一体化を行っていくための大きな一歩を踏み出した。今後は6団体が一層連携を深め、力を結集し、19年1月に広域連合を設立し、4月に事業統合するスケジュールを着実に進めたい」とあいさつ。
4市と同企業団は、13年10月17日に締結した「君津地域水道事業統合・広域化に関する覚書」に基づき、4市と企業団の5団体の首長で構成する「君津地域水道事業統合協議会」を立ち上げ、本年度からは県も参画、統合広域化に向けた基本計画の策定と協議検討を進めていた。検討の結果、県と4市を構成団体とする広域連合を設置し、水道用水供給事業と4市の水道事業を一本化することになった。今月19日の第8回協議会で統合広域化の基本計画について合意し、協定の締結に至った。
基本計画の期間は19〜38年度の20年間。計画期間内の事業費は1270・2億円(4市683・9億円、企業団586・3億円)。このうち、交付金の対象となる19〜28年度の10年間の事業費は694・2億円(4市426・1億円、企業団268・1億円)で、同期間内に集中的に施設の統廃合などの整備を進める。
施設整備では、施設の統廃合事業、管路の更新事業、施設設備更新事業、耐震化事業、管理設備集約事業などを推進する。
水道事業の統合により、▽施設の統廃合、国の交付金や各市の出資金を活用した強靭な水道の実現▽専門技術者の確保、管理水準の統一により高品質なサービスの実現▽施設の統廃合、庁舎の集約などによる経営基盤の強化――などが期待される。
なお、県内では同地域のほか、南房総広域水道企業団と九十九里地域水道企業団で用水供給を県の水道局と一本化することを検討。用水の各家庭への配水についても統合の検討を進めている。